災害対策にもなるオフィスの整理整頓。事業継続性をもたせるには?
地震や台風、土砂災害、さらにはゲリラ豪雨といった自然災害が毎年のように発生し防災への意識は高まり、BCP(事業継続計画)という言葉も知られるようになりました。しかし、実際には特に中小企業でBCP(事業継続計画)策定率が低い傾向にあり(※)、その理由はスキルやノウハウ、人材不足にあると言います。
災害の発生は予測できません。そのため、万が一発生した際に被害を最小限に抑えるためには、事前の対策が肝となります。そこで本記事では、BCPの考え方やオフィスにおける災害対策のポイントについて解説します。
※参考:帝国データバンク「事業継続計画(BCP)に対する企業の意識調査(2023 年)」
BCP対策とは?
BCP(Business Continuity Plan)とは、企業が災害やテロなどの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限に留めつつ、事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために行うべき活動や手段などを取りまとめた計画のことです。
昨今では新型コロナウイルス感染症が流行し、予期せぬ事態に大きな影響を受けた企業もあるのではないでしょうか。 他にも地震や台風、豪雨など様々な災害が想定されますが、それぞれに対して個別で対策を講じるのではなく、包括的な行動計画を立てておくことがBCPの考え方です。
BCPを策定していないと、危機発生時に対応が遅れてしまい、最悪の場合、企業が継続できない事態に直面する可能性もあります。災害が増えている昨今、BCP対策は企業の喫緊の課題であり、企業価値を高める一つの指標にもなっているのです。
BCP策定手順については、以下の関連記事を参照ください。
「BCPのマニュアルを作ろう!策定の手順と知っておきたい3つのポイント」
そして、BCPは策定して終わりではありません。緊急時にBCPを実行するためには土台となる環境整備が必要です。今回はその中からオフィスの整理について解説します。
オフィス整理はBCPにつながる
ファイルや書類が山積みされ、段ボールが非常ドアの前に積み上げられているーー。そのような状況下でもし災害などの有事が発生したら、どのようなリスクがあるでしょうか。ここでは、災害時にオフィスで想定されるリスクと改善点について見ていきましょう。
落下物防止
例えば地震が発生した際、多くの人が丈夫な机の下などに隠れるという行動を起こすでしょう。それは、高い場所からの落下物から身を守るための行動ですが、そもそも「棚の上など落下の可能性がある場所に荷物を置かない」というルールを定めておくことで、リスク回避に繋がります。
また、机の下に私物や収納部に入りきらない荷物を置くと、有事の際に隠れることができません。さらには荷物が適切な場所に保管されていないということは紛失や盗難のリスクがあり、情報漏洩事故に発展する恐れがあります。荷物や書類の整理整頓は、災害対策に加えて情報保護の観点からも重要な役割を担っているのです。
避難通路の確保
建築基準法では通路幅や床面積に応じた避難通路の設置が、さらに消防法では避難通路には避難通路誘導灯や標識の設置が義務付けられていますが、その避難経路に荷物が置かれていては本来の意味を成しません。火災なら、段ボールなどに引火して被害を拡大させてしまう可能性も懸念されます。
さらに、本来保管場所ではないところに荷物を置いておくと、見栄えが悪いだけでなく保管環境の悪さから荷物や書類が劣化してしまいます。不要なものであれば適切に処分し、オフィスの整理を心掛けましょう。
ケーブル等出火元の原因となりうる物の管理
災害以外で事故の原因となり得るのが、ケーブルやコードなどの電線類です。オフィスでは多くのデバイスを使用するため、机の下で配線が複雑に絡み合ったまま放置しているオフィスもあるのではないでしょうか。しかし、踏まれたりひっぱられたりすることによりケーブルやコードが劣化・損傷し、漏電を引き起こしてしまう可能性や、あるいは規定の容量を超えて一度に多くの電気を使用し続けることで発熱・出火する恐れがあります。
デバイスや関連するケーブル・コードなどが古くなっていれば交換し、適切に使用することが大切です。
重要物とそうでない物品の整理
オフィスの整理を行う際、まずは物品の棚卸から始めます。社内の物品を全てリストアップし、必要なものと不要なものに分別します。不要な物品は適宜処分しますが、判断に困りやすいのが「利用頻度が低い物品」です。季節の販促品や新入社員研修で使用するものなど、一年のうち数回しか使用しない物品が保管庫を占有しているケースもあるでしょう。
そのような場合は、外部のトランクルームサービスを活用してみることも一案です。
BCP対策としてのトランクルームサービス
トランクルームとは、個人や企業の書類、物品などを収納する貸し倉庫施設のことです。昨今、働き方の多様化によりオフィスの見直しを進める企業が増え、一時的に物品を預けられるトランクルームサービスのニーズが高まっています。
トランクルームサービスを利用するメリットには生産性の向上やコスト管理などが挙げられますが、ここではBCP対策の観点からトランクルームを捉えてみます。
荷物を預けることで、オフィスの整理ができ避難経路の確保などができる
そもそも避難経路に荷物を置くことは避けなければなりませんが、「整理する時間がない」「保管場所が定まっていない」場合など、一時的に置いてしまうことがあるかもしれません。荷物の整理は直接利益を生み出さないと捉えられてしまうこともあり、後回しにされがちです。
しかし、前述の通り、避難経路の確保はBCP対策として取り組むべき優先課題です。「荷物を整理する時間がない」場合は特に、荷物を一旦トランクルームサービスに預けてから整理整頓に取り組むと良いでしょう。
預ける物品のセキュリティ面の確保
多くの法人向けトランクルームサービスでは、セキュリティ対策が講じられています。保管庫の入退室制限や24時間体制の監視を行っているかなど、情報漏洩防止策の有無は、サービス選定時の大きなポイントです。BCP対策が理由でトランクルームを活用する場合は、セキュリティ面も重視することが望まれます。
不要物は適切な形で処分
サービスによっては、保管していた物品や書類が不要になれば処分してくれる業者もあります。社内では不要な物品(書類)だとしても、社外へ出れば機密情報として一気に価値が高まります。情報保護の観点からも、不要物は適切な方法で廃棄しなければなりません。
最後に、数あるトランクルームサービスの中から法人におすすめの「Stock Mamoru」をご紹介します。
宅配型トランクルームサービス「Stock Mamoru」
日本パープルが提供するStock Mamoru(ストックマモル)は、配送してくれるトランクルームとして、什器を集荷から保管、Web上でデータまで管理してくれるサービスです。保管が不要になったら、廃棄も依頼できます。
さらに、専用保管庫は入館制限があり24時間監視体制になっているなど、運営会社である株式会社日本パープルの厳重なセキュリティ対策は多くの法人から支持されています。
荷物の預け入れから専門スタッフが対応してくれるため、社内の負担をかけずに導入できる点も人気の理由の一つです。
災害対策の一環としてオフィス整理を進めよう
いつ発生するか予測ができない災害への対策は、平常時に準備しておく必要があります。まずは、BCPを策定すること、そしてオフィスの整理整頓を行うことです。社内の物品を保管するスペースがない場合や整理するリソースが確保できない場合は、上記でご紹介したトランクルームサービスを活用して、効率良くオフィス整理を進めてみてはいかがでしょうか。