添付漏れを知らせてくれる!?メールの誤送信を防止する最新対策ツールまとめ
ソフトウェア開発会社「エムオーテック」が20代~60代の男女を対象に行った調査によると、全体の25%が「業務メールで誤送信をしたことがある」のだそうです。
社内的なメールであれば、「間違えてしまった」で済まされることが多いですが、社外に送ったメールでミスすると、取り返しのつかないことになってしまう可能性があるので、絶対に防ぎたいところ。
そこで今回は、メールの誤送信を防止する最新対策ツールをご紹介します。メール誤送信の対策がまだきちんとできていない企業の方は、ぜひ参考にしてみてください。
1回のミスが命取りに!?メールの誤送信が抱える2つのリスク
メールを誤送信すると何がいけないのでしょうか。
企業にとって、誤送信のリスクは大きく分けると2つあります。
1つ目は、「信用を失うリスク」です。
メールのやり取りをしていて、毎回誤字がある人のことを信用しますか。添付すると本文に書いてあるはずのメールに添付がないことが何回もあったら、その人のことを信用しますか。おそらく信用しないでしょう。
いくら仕事がしっかりできていても、メールの些細な部分に気が遣えないだけで、「この人は信頼できない」と思われてしまうのです。
2つ目は、「情報漏えいのリスク」です。
例えば、契約書をメールに添付して送る際に、間違って違う宛先に送ってしまうとどうなるでしょう。そう、個人情報が流出してしまうことになります。
情報が自社のものであっても大問題ですが、クライアントなど、社外の人間の個人情報を流出させてしまうと、損害賠償を支払わなければならない可能性が出てきます。「メールの誤送信」は、起こりやすいにもかかわらず、1つのミスが個人や企業にとって命取りになることがあることを念頭に置かなければなりません。
企業はすぐに導入すべき!誤送信を防止する最新ツール4選
続いて、メールの誤送信を防止する最新ツールをご紹介します。
「添付します」などの言葉に反応!Gmailの添付忘れ防止アラート
皆さんにとって最も親しみのあるアドレスの1つは、Gmail。
実は、Gmailには、ファイルの添付忘れを防止するアラート機能が付いているのを、皆さんご存知でしょうか。アラートの仕組みはいたってシンプル。メールの本文の“ある言葉”に反応して、ファイルが添付されていない場合に教えてくれるというものです。
ある言葉とは、具体的にはどんな言葉なのでしょうか。
以下に、アラート機能が作動する言葉と、作動しない言葉の例を書いておきます。(2016年8月31日調べ)
【作動する言葉】
・添付します
・添付いたします
・添付しました
・添付した
・添付する
【作動しない言葉】
・添付致します
・添付致しました
・添付にて
・添付
上に「2016年8月31日調べ」と書いたのは、作動する言葉が以前変わった事があったからです。変更前には、「添付」という言葉だけでアラートが作動するようになっていたのですが、現在は作動しません。
おそらく、「添付します」「添付いたします」という言葉は、今後変更があったとしてもアラームが作動する言葉のままである可能性が高いので、Gmailで添付ファイルを付けるときには、この2語のどちらかを使うよう、心がけてみてください。
重要項目をマウスでなぞって指さし確認!「Nazori Mail Checker」
続いて紹介するツールは、指さし確認にすることで誤送信を防止する「Nazori Mail Checker」です。KDDI研究所が開発しました。
指さし確認とは、仕事におけるミスの発生率を下げるために、ミスが起こりやすい事項を、指をさしながら確認するというもの。このアナログな手法をデジタルの世界にも活用しようとしたのが、同ツールというわけです。
「宛先」「件名」「添付ファイル」という3つの項目をマウスでなぞらなければ、メールが送れないのが特徴的な仕組みに。宛先をなぞるとアドレスが名前で表示される機能も、ミスを防ぐためには有効です。
従業員の意識も改革する必要がある企業の方は、導入してみるといいかもしれません。
人間工学の考えを取り入れたメール誤送信防止ソフト「CipherCraft/Mail 7」
「知覚」「認知」「操作」
人間工学の分野では、人間の情報処理は上の3要素によって成り立っているのだそうです。
この3つの観点から、誤送信を防ぐ対策を講じたのが、NTTソフトウェア株式会社が提供する「CipherCraft/Mail 7」というソフトです。どのような工夫がされているのか、1つずつ紹介していきます。
まずは「知覚」要素を見ていきましょう。
誤送信の原因の1つとしてあったのは、メールを送る前にチェックすべきポイントがぱっと見た時に分かりにくいという問題です。そこで、誤送信をチェックするときに必要な情報に絞った確認画面を設けることによって、ミスを防ぐために確認すべき項目を一目で分かるようにしました。
続いては、「認知」要素です。
下の文をご覧ください。
こんちには みさなん おんげき ですか? わしたは げんき です。
この ぶんょしう は いりぎす の ケブンッリジ だがいく の けゅきんう の けっか
にんんげ は もじ を にしんき する とき その さしいょ と さいご の もさじえ あいてっれば
じばんゅん は めくちちゃゃ でも ちんゃと よめる という けゅきんう に もづいとて
わざと もじの じんばゅん を いかれえて あまりす。
どでうす? ちんゃと よゃちめう でしょ?
ちんゃと よためら はのんう よしろく
おそらく皆さん、この文章を読めたのではないでしょうか。
いかに人間が、思い込みで認識をしているかが分かると思います。
この事実が示すのは、頻繁にメールを送るアドレスと似たアドレスがある場合、いつもメールを送っているアドレスだと認識してしまう恐れがあるということ。こうした思い込みを防ぐために、初めてメールを送るアドレスが宛先に設定された場合は、本当にそのアドレスで合っているか、アラートが表示されるようになっています。
最後に「操作」要素です。
人間は、同じ作業を繰り返し行っていると、作業に慣れて注意力が散漫になるもの。誤送信を防ぐためとはいえ、すべてのメールを送る前に確認画面が表示されると、確認画面に慣れて次第に確認作業をきちんとやらないようになってしまいます。
これを防止するために、誤送信のリスクがあるのかないのか、自動である程度判断できるようになっています。誤送信のリスクがないものは、確認画面を表示させないことによって、確認作業に慣れるのを防いでいるのです。
メール誤送信防止機能に標的型攻撃メール対策
株式会社サテライトオフィスが発表したサービスで、メールの誤送信防止機能に加えて、標的型攻撃メール対策が備わったものを最後に紹介します。
これまで紹介してきたツールからも分かるように、メールの誤送信防止ツールは、「誤送信の防止」のみにフォーカスが当てられている場合が多いもの。しかし、このサービスを利用すると、特定の組織や人間に宛てて送られてくる標的型攻撃メールの対策もできてしまうのです。
標的型攻撃メールは、本文にあるリンクをクリックしたり、添付ファイルを開いたりするとパソコンがウイルスに感染し、情報が奪われてしまうメールを指します。不特定多数に宛てたスパムメールと異なり、セキュリティソフトでも検出できない場合があるのだとか。
しかしこのサービスがあれば、攻撃メールを検知し、本文にあるURLや添付ファイルを無効化できるのだそうです。特に、個人情報を特に多く抱えている部署の人は、情報漏えいリスクを最小限に抑えるためにも、このサービスを利用してみてもいいかもしれません。
誤送信防止ツールを利用し、情報セキュリティについての自覚を社員に芽生えさせよう!
今回紹介したメールの誤送信防止ツールは、誤送信を防ぐことができるだけでなく、情報セキュリティに対する自覚を社員に芽生えさせることができます。
メールの誤送信で大きな情報漏えいを起こしてしまっては、取り返しがつきません。まだ対策をしていない企業の方は、早急にツールを導入し、誤送信のリスクを減らすことを検討してはいかがでしょうか。