総務の仕事をアウトソーシング!業務効率化を実現させる「BPO」ってナニ?
総務(そうむ):組織全体に関する事務を扱うこと。また、その職にある人や、その部署。「―課」(goo国語辞典より)
経理なら金銭関連、法務なら法律関連というように、部署の名前は、通常どのような業務をするのか明確に分かるようになっています。しかし、総務は例外。辞書の意味を見ても分かるように、およその雰囲気は掴めますが、具体的に何をする部署なのかよく分かりません。総務は部署の定義が曖昧なため、「他の部署がやらないから、総務がやる」ということが起こり得る、大変な部署なのです。
総務で働く方なら、「何でこんなことまでやらなきゃいけないの…?」と唇をかみしめた経験があるのではないでしょうか。こまごまとした仕事が多い総務にとって、いかに“業務効率化”をするかが重要になってきます。
そこで今回は、業務効率化を図るために有効な手段だとされる「BPO」について紹介します。
たくさんの業務を抱える総務こそ実践すべき!BPOってなに?
BPOとは“Buisiness Process Outsourcing”の略で、業務プロセスの一部を継続的に外部の企業に委託することを意味します。業務量が多いにもかかわらず、すべての業務を自分たちだけでやっていては、“企業の成長に関わる業務”に割く時間がなくなりかねません。しかし本来、社内制度をはじめとして、組織の体質改善に大きな影響力を持つ総務は、積極的に企業を良い方向へと変えていくことが求められています。
そこで活用したいのがBPO。
業務の一部を外部に委託することで社内の業務にゆとりを生み、企業の利益につながる戦略的業務に人員と時間を割けるようにするのです。
では、具体的にどのようにBPOを行えばいいのか、次の章で説明しましょう。
BPOを行う際に押さえておくべき3つのポイント
BPOを行うフローは、大きく分けて「BPOの目的決定」「総務業務の見える化」「アウトソーシング先の選定」という3段階に分けることができます。1つずつ見ていきましょう。
BPOは“目的”ではなく“手段”!「BPOの目的決定」
まず、BPOの目的を決めるところからスタートしましょう。
BPOは便利な手段ですが、それ自体が目的になってしまうと、「ただ総務の業務量が減っただけで、会社の利益に結び付いていない」ということになってしまいがちです。
あくまで、総務の負担を軽減させた先に、“会社の利益に関わる業務の割合を増やす”という目標があることを忘れてはいけません。そうした目的を見失わないようにするためにも、最初に、総務が今後どのような分野の業務に注力していくかという方針を、最初に決定するようにしましょう。
自分たちしかできない業務と、そうでない業務を判別!「業務の見える化」
BPOを行う目的が決まったら、続いては、総務が普段行っている「業務の見える化」をします。
総務にはこまごまとした業務が多いため、業務内容が属人化している場合があります。それらの業務も含めて、総務としてやっている業務がどれだけあるのかを洗い出し、全員が総務の業務全体を見渡せるようにしましょう。
そして、洗い出した業務の中から、外部に委託しても問題ない業務を探していきます。業務を選ぶポイントとしては、“自分たち以外でもできる業務かどうか”です。
目指すべき理想は、総務が“自分たちにしかできない業務のみを行っている”状態です。したがって、どこの会社でも業務内容が比較的変わらない(例:データ集計や経理、勤怠管理など)業務をアウトソーシングするようにしましょう。
依頼する企業は“リスク対策”ができているかで選べ!「アウトソーシング先の選定」
最後に、「アウトソーシング先の選定」を行います。
BPOを行う際に、必ず持っておくべき意識は、“外部に企業の情報を渡している”ということ。経理業務をアウトソーシングすることを例にして考えると、社員1人ひとりの個人情報を委託先が持っている状態になることが分かります。
アウトソーシングは便利である反面、情報漏えいのリスクが高くなるということを忘れてはいけないのです。したがって、BPO先の選定段階では、「セキュリテ対策はきちんとできているか」「万が一事故が発生した際の、対応マニュアルがあるか」をチェックするようにしましょう。
リスク対策という守りの部分がきちんとできているかどうかは、アウトソーシング先を決定する際に、「この企業は信頼できるかどうか」を判断する重要な要素になるのです。
BPOをして、“総務が組織を変えていく”企業に!
BPOを効果的に活用すれば、総務が積極的に会社の運営に携わることができるようになります。企業が良い方向に成長し続けるためには、総務が組織を変えていくようなエネルギーを持つべきなのではないでしょうか。
日々の業務が多すぎて、「上手く機能を果たせていない」と感じている総務の方。一度自分達の業務をすべて洗い出し、アウトソーシングできるものはないか、検討してみてはいかがでしょうか。