育児と仕事を“社内託児所”で両立!ワークスアプリケーションズの「WithKids」に行ってきた
「子育てと仕事を両立できる会社にしたい」
社会の課題として長年叫ばれながらも、解決することができずにいる「仕事と子育ての両立」。この問題を根本から解決するために、株式会社ワークスアプリケーションズは、2016年12月14日(水)に企業内託児スペース『WithKids(ウィズキッズ)』をオープンしました。
社員の声を集めて作られた、働くママにとって理想的な場所。オープン前に施設を見せていただくべく、ワークスアプリケーションズ運営の企業内託児スペース『WithKids』オープニングセレモニーを取材しました。育児と仕事を両立させる環境を目指す『WithKids』が生まれた背景と、施設の設備についてご紹介します。
仕事の合間に授乳もできる!企業内託児所『WithKids』ってどんな施設?
ワークスアプリケーションズの企業内託児所『WithKids』の中が、一体どのようになっているのか、見ていきましょう。託児所は全部で3部屋に分かれています。
上の写真は、1歳以上の児童が対象となるメインの保育室。窓から光が差し込み、明るく開放的な空間が広がっています。階段の段差が緩やかになっており、幼児がケガをしないような配慮がされていることが見てとれます。
入ってみると、そこには子供たちが保育士と一緒にお絵かきや工作を楽しむ光景が。現在、4名の保育士が社員として雇用され、子供の面倒を見ているのだそうです。
0歳児用の部屋も用意されています。子供がまだ小さくても、仕事の合間にすぐに様子を見に行けるので、安心して子供を預けることが。授乳が必要になった場合は、この部屋で行うことだってできるのです。
「身体を動かして遊びたい!」という子供のために、運動スペースも。この託児所は、年齢の上限が設定されていないのも大きな特徴です。子供がのびのびと過ごす環境が整うこの託児所が、どのようにして生まれたのか、見ていきましょう。
優秀な社員が仕事を続けられる環境を。代表・牧野氏の一声からプロジェクトが始まる
「仕事をしながら、会社の中で子育てをしていく文化を」
出産を機に辞めてしまう能力の高い女性社員が多いという問題を解決するために、これまでにも同社では、「子供が小学6年生までは、時短勤務として働くことができる」「復職時には、年俸の15%をボーナスとして支給する」など、社員の復職を支援するさまざまな制度を導入してきました。しかし、出産後に復職できる社員は依然として少ない状態が続いていたのだそうです。
そこで今回、代表取締役最高経営責任者である牧野正幸氏は、子育てと仕事についての新たな概念を掲げ、企業内の託児所を発案しました。
牧野氏:会社の中に託児スペースを作ることによって、一緒にご飯を食べたり、休憩時間に子供を遊んであげたり、仕事をしている社員の側に子供を居させるなど、「絶えず子供に関われる環境を作ることが必要」なのではないかと考えました。
育児と仕事を両立させる最善の方法を探る中で発案された、企業内託児所。
「保育士を社員として雇用している」ことも、「優秀な社員を採用する」という、採用に対する同社の考えが反映されています。
牧野氏:当社は採用コストで、年間数十億を使っています。採用にこれだけお金をかけるのは、優秀な人材が必要だから。保育士も同様です。通常、企業の保育士は「別職種だから社員としては雇わない」という考えもあると思います。ですが、「大事な社員の子供を育てていく」ためには、絶対に社員として雇うのがいいだろうと考え、このような形を取ることにしました。
託児所の導入にあたっては、育児の経験がある社員をはじめとして、多くの社員の意見を反映させたのだそうです。
プロジェクトを担当した谷口裕香氏は、2009年にワークスアプリケーションズに中途入社。4歳の娘と1歳の息子の2児の母で、最近話題に上る「待機児童問題」を身近に感じてきたのだそうです。
通常の保育園に通わせると、「自宅」「保育園」「会社」の3箇所を回らなければならず、とても大変。企業内託児所があれば、「自宅」「会社」の2個所の移動だけで済むので、時間にゆとりを生むことにもつながって、育児をする人にとってとても助かるのだといいます。
彼女をはじめとしたプロジェクトチームは、企業内託児所にありがちな3つの問題点を解決していきました。
問題①朝の満員電車に子供を連れて乗らなければならない
企業内託児所を利用する場合、「毎日子供を連れて満員電車に乗らなければならない」という問題があります。
問題を解決するために、ワークスアプリケーションズは、フレキシブルな通勤を推奨するようにしました。社員が出社時間を、自身の都合よって変えられるこの制度。満員電車を避けるために、人が多い時間帯を避けた出勤ができるのです。
今回、育児を行う社員が制度を利用しやすいように、「託児所の延滞料金を無料」にしました。そうすることによって、通勤ラッシュが落ち着いた時間に出社し、遅めの時間に帰ることもできるようにしたのです。
問題②おむつや着替えなど、両手いっぱいに子供の荷物を抱えて出勤しなければならない
子供を連れて通勤する問題として、「おむつや着替えなどの荷物を持っていかなければならない」という点も挙げられます。両手いっぱいに荷物を抱えな、その上子供を連れて出勤するのは、かなり無理があるもの。
この問題を解決するために、おむつやおしりふき、着替えなど、子供に関連する必要なものは、すべて施設で用意するようにしました。そうすれば、重い荷物を持って出勤する必要も、休日に子供の服を洗濯するために、荷物を持ち帰る必要もありません。
問題①と②を解決することによって、社員が子供を連れて出勤しやすい環境を実現したのです。
問題③仕事で疲れていても、子供のご飯を作らなければいけない
企業内託児所を、社員にとって使いやすいものにするために、最後に挙げられる問題は、「子供のご飯」です。
仕事が終わった後に、子供を連れて帰って、買い物に行って、ご飯を作って……
これでは食事の時間が遅くなる上に、子供ゆっくり過ごせる時間はかなり少なくなってしまいます。
WidsKidsは、施設にいる調理スタッフが、子供と社員に同じ料理を作るサービスを提供するようにしました。そうすれば、子供がお腹が空いた時間にご飯を食べさせることができますし、料理や買い物の手間を減らすことによって、時間を生み、子供と一緒に過ごす時間を増やすことができるのです。
こうして、プロジェクトチームは、育児をする社員が快適に働ける託児所を作っていったのです。
「こんな施設があることが羨ましい……」働く女性の代表、木村佳乃が「WIdsKids」について語る
本イベントに「働く女性の代表」として登壇した、女優の木村佳乃氏も、『WithKids』の充実ぶりには、驚きを隠せないようでした。
木村氏:最初にここに来た時に、本当にびっくりしました。私も女優という仕事をしているので、子供と会う時間が限られています。撮影中に、「お子さんが熱を出したので迎えに来てください」と言われて焦ることもあるんです。仕事をしていても、すぐに子供に会いに行けるこうした施設があることが羨ましい。女性が育児と仕事を両立できる環境が、整っていけばいいなと強く思いますね。
働くママにとって、自分が仕事をしているそばに子供がいる環境があれば、安心して働くことができます。『WithKids』は、子供にとって、そしてママにとっての「こうだったらいいな」を実現した画期的な施設だと言えるのではないでしょうか。
社員と企業にとって、理想的な職場の実現に向けて
「企業で子育てをする」という、仕事と育児の新たな両立の仕方を提案する『WithKids』。保育環境が整っていれば、優秀な社員の離職を減らすだけでなく、「子供を目の届く範囲に置きながら働きたい」と考える、優秀な社員の雇用促進にもつながるのではないでしょうか。
また、企業にとっても、仕事と育児を両立できる環境を整えることで、優秀な社員が仕事を辞めない「強い企業」を作ることができます。社員と企業、双方にとっての理想的な環境の実現に向けて、ワークスアプリケーションズの取り組みには、今後も目が離せません。