マルウェア感染とは?最新の被害例と対応についてわかりやすく解説

マルウェア感染を防ぐためにはどうすれば良いですか?と社内から質問が上がりました。
次のうち効果的な方法はどれでしょうか?すべて選んでください

①OSやソフトウェアを最新にする

②ファイアウォールを無効にする

③信頼できないサイトや配信元からアプリやソフトをインストールしない

④不審なメールやファイルは開かない

 

いかがでしょうか?

正解は、


正解は①、③、④がマルウェア感染を防ぐための効果的な対策です。

定期的にソフトウェアを更新することで脆弱性を修正し、信頼できないソースからのファイルやメールを避けることで感染リスクを減らせます。

本記事では、マルウェア感染とは何か、最新の被害例、そして具体的な対処法についてわかりやすく解説します。

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マルウェア感染とは何かわかりやすく解説

マルウェアの種類

ワーム

トロイの木馬

バックドア

ランサムウェア

スパイウェア

【最新】マルウェア感染の被害例を紹介

名古屋港が3日間物流停止に

コクヨが個人情報漏えいの懸念

マルウェアへの対応について

ネットワークから切り離す

セキュリティ担当に報告する

定期的にバックアップを取る

OSやソフトウェアを最新にする

信頼できないメールや添付ファイルを開かない

情報セキュリティ分野に精通したサービス「Coach Mamoru」

マルウェア感染とは何かわかりやすく解説

マルウェアとは、何らかの方法でコンピュータシステムに侵入し、デバイスやサービス、ネットワークに対して有害な動作を引き起こすソフトウェアの総称です。

例えば、マルウェアは企業の業務を妨害したり、大規模なサイバー攻撃を行ったりするなど、様々な被害をもたらします。よく耳にするウイルスもマルウェアの一種であり、感染すると甚大な被害を引き起こす可能性があるといえるでしょう。

ほとんどのマルウェアは悪意を持った人物によって作られており、業務で私用するパソコンやシステムに使われているサーバが感染すると、大規模な復旧作業を強いられることが多いため、外的脅威として非常に恐れられています。

マルウェアの種類

マルウェア感染は様々な種類がありますが、代表的な以下の5つを紹介します

  1. ワーム
  2. トロイの木馬
  3. バックドア
  4. ランサムウェア
  5. スパイウェア

それぞれ詳しく解説します。

ワーム

ワームはマルウェアの一種で、感染したコンピューターから別のコンピューターへと、ユーザーの操作を介することなく自己複製して広がっていきます。これがウイルスとの大きな違いです。

ウイルスは感染するためにほかのプログラムやファイルに寄生することが必要ですが、ワームは単独で動作し、増殖・拡散できます。

例えば、ワームがあなたのコンピューターに感染すると、そのワームはあなたが何も操作しなくても、ネットワークを通じてほかのコンピューターにどんどん広がります。これにより、短期間で多くのシステムに感染してしまうのです。

このように、ワームは非常に危険なマルウェアです。コンピューターを守るためには、信頼できるセキュリティソフトを使用し、定期的にシステムをチェックしましょう。

トロイの木馬

トロイの木馬は、見た目は普通のプログラムに見えますが、実は悪意のある目的を持ったマルウェアです。

名前の由来は、ギリシャ神話の「トロイの木馬」にちなんでいます。神話では、ギリシャ軍が巨大な木馬の中に兵士を隠し、夜になると中の兵士たちが出てきて城を攻撃しました。

トロイの木馬も同様に、無害なプログラムのふりをしてコンピューターに侵入し、悪事を働きます。

トロイの木馬は、ウイルスやワームとは違って自己複製する能力はありません。しかし、一度侵入すると、コンピューターのシステムに多くの変更を加え、削除されるときにはシステムに大きなダメージを与える場合があります。

トロイの木馬からパソコンを守るためには、怪しいプログラムやファイルをダウンロードしないようにしましょう。

バックドア

バックドア型のマルウェアは、外部からコンピューターを不正に制御するための「裏口」を作るマルウェアです。通常、コンピューターにアクセスするにはIDとパスワードが必要です。その一方、バックドアはこの認証をスキップして直接アクセスできるようになります。

バックドアは、本来は開発者が製品の機能テストを行うために使うものです。製品が出荷される前には通常、この機能は取り外されます。

しかし、もしバックドアが残っていると、悪意のある攻撃者がこれを利用してシステムへの不正アクセスが可能です。具体的には、バックドアはコンピューターの「勝手口」や「裏口」にあたります。ほかのマルウェアが不正に侵入できる道を作り出すのがバックドアの役割です。

バックドア自体は直接的に大きな被害を与えることは少ないですが、その裏口を通じてさらに多くのマルウェアが侵入し、システム全体を危険にさらします。

ランサムウェア

ランサムウェアは、感染するとコンピューターやファイルへのアクセスを制限し、解除のために身代金を要求するマルウェアです。

これが起こると、被害者は自分の大切なファイルやシステムを使えなくなります。攻撃者は、このアクセスを取り戻すためにお金を払うよう要求してきますが、身代金を払っても必ずしもアクセスが回復する保証はありません。

ランサムウェアは特殊な暗号化プログラムを持っているため、感染すると自力で元に戻すことは困難です。専門業者の助けが必要になる場合が多く、それでも完全に復元できるかはわかりません。

ランサムウェアは、ほかのマルウェアの中でも特に被害が大きいとされています。被害を防ぐためには、信頼できるセキュリティソフトを使用し、定期的にバックアップを取るようにしましょう。

スパイウェア

スパイウェアは、コンピューターに感染すると、ユーザーが知らないうちに情報を外部に送信するマルウェアです。スパイウェアがアクセスしようとする情報には、パスワードやクレジットカード情報など、悪用されると非常に危険なデータが含まれています。

スパイウェアによって盗まれた情報は、犯罪者にとって非常に価値が高く、詐欺や個人情報の不正利用が多いです。

スパイウェアが一度コンピューターに入り込むと、外部からユーザーの活動を監視することが可能になります。これにより、個人情報やインターネットの閲覧履歴がハッカーに送信されてしまいます。

スパイウェアは悪用されることが多い一方で、警察の捜査や親が子どもを監視するために使うケースもあるようです。しかし、どのような目的であれ、スパイウェアで勝手に情報を集めることは、プライバシー侵害にあたります。

【最新】マルウェア感染の被害例を紹介

ここでは最新のマルウェア感染の被害例を紹介します。

  1. 名古屋港が3日間物流停止に
  2. コクヨが個人情報漏えいの懸念

以下の2つは2023年に発生した最新の情報です。それぞれ詳しく解説します。

名古屋港が3日間物流停止に

2023年7月、名古屋港は「LockBit」というランサムウェアによるサイバー攻撃を受けました。この攻撃により、名古屋港の5つのコンテナターミナルを管理する「名古屋港統一ターミナルシステム(NUTS)」が停止し、約3日間にわたり物流がストップしたのです。

サイバー攻撃が発生した日、トレーラーは、通常通り「集中管理ゲート」に並んでいました。しかし、コンテナの受け渡し場所が表示されず、NUTSが停止していることが判明したのです。

脅迫文がプリンターから印刷され、この時点で初めてサイバー攻撃だと認識しました。

このように、名古屋港のランサムウェア攻撃は大きな影響を及ぼし、短期間での復旧を最優先した対応が行われましたが、感染経路は未だに不明のままです。この事件は、サイバーセキュリティの重要性を改めて認識させるものとなりました。

コクヨが個人情報漏えいの懸念

2023年8月、コクヨ株式会社がランサムウェア攻撃を受けました。この攻撃により、コクヨが保有する約186万件の個人情報が外部に漏えいする可能性が出てきました。調査の結果、漏えいの可能性は極めて低いとされていますが、完全に否定することは難しいです。

このため、個人情報保護法の規定に基づき、すべての対象者に対してメールやハガキで通知を行う対応を取りました。コクヨは、ASKULやLOHACOなどのサービスの商品配送業務も委託しているため、この攻撃の影響は広範囲に広がりました。

現在のところ、この攻撃による個人情報の不正利用などの二次被害の報告は受けていませんが、念のため通知を行うことで、被害の可能性がある人々に対して注意を促しています。

コクヨは、利用者の安全を守るために、リスクを最小限に抑える迅速な対応と通知を行っています。

マルウェアへの対応について

マルウェア感染の対処方法は以下の2つです。

  1. ネットワークから切り離す
  2. セキュリティ担当に報告する

ネットワークから切り離す

有線LANで接続されている場合、LANケーブルをパソコンから外しましょう。ネットワークを切断することで、感染したパソコンをほかのデバイスから隔離し、被害の拡大を防ぎます。

例えば、パソコンがマルウェアに感染した場合、そのままインターネットや会社のネットワークに繋げておくと、同じネットワーク上にあるほかのデバイスにも感染が広がる危険があるでしょう。

ネットワークを遮断したあとは、次にマルウェアの駆除作業に移ります。これには、信頼できるアンチウイルスソフトを使用してシステムをスキャンし、マルウェアを検出・削除する作業が含まれます。

セキュリティ担当に報告する

マルウェアに感染した場合、ウイルススキャンを実行したあと、その結果をすぐに社内の情報セキュリティ担当者や上司に報告することが非常に重要です。

例えば、パソコンがマルウェアに感染してしまった場合、まずウイルススキャンを実行してマルウェアを検出・削除します。そのあと、実行結果を詳しく情報セキュリティ担当者や上司に伝えましょう。彼らはさらに必要な対策や調査を進めるための指示を出してくれるはずです。

マルウェアに感染した場合は、必ず情報セキュリティ担当者や上司に報告し、適切な対応を取るようにしましょう。

次に、マルウェア感染を事前に防ぐための対策は以下の3つです。

  1. 定期的にバックアップを取る
  2. OSやソフトウェアを最新にする
  3. 信頼できないメールや添付ファイルを開かない

それぞれ詳しく解説します。

定期的にバックアップを取る

マルウェア感染は、感染してしまうと対処が難しいのが現実です。そのため、定期的にバックアップを取っておくことをおすすめします。

マルウェアに感染した場合、完全に駆除できない場合もあるため、デバイスを初期化しなければなりません。初期化してしまうと、インストールされていたマルウェアも完全に消去される一方、ハードディスク上のすべてのファイルが削除されてしまいます。

どうしても失いたくないデータがある場合や、自分で対処するのが難しい場合は、マルウェア対策を専門とする企業に相談することをおすすめします。

OSやソフトウェアを最新にする

OSやアプリケーションのアップデートには、バグ修正やセキュリティホールの修正が含まれることが多いです。これにより、ソフトウェアの動作が安定し、セキュリティが強化されます。

一部のOSやソフトウェアは自動更新を設定できる機能があり、また、ユーザー登録をすると更新情報がメールで送られてくることもあります。各ソフトウェアの公式サイトにアクセスし、定期的にアップデート情報を確認して、常に最新バージョンを維持することが重要です。

これにより、マルウェアの感染リスクを大幅に低減できます。

信頼できないメールや添付ファイルを開かない

マルウェア感染を防ぐためには、不審なメールや添付ファイルを開かないことが重要です。メールは簡単に大量に送信でき、マルウェアの拡散手段として頻繁に利用されます。

不明な送信者からのメールや、取引先や顧客を装った怪しいメールはフィルタリング機能を使って迷惑メールフォルダに振り分け、開かないようにしましょう。添付ファイルは開く前にスキャンして安全性を確認し、未知のURLはクリックしないことが重要です。

また、未知の送信者からのメールや、不審なウェブサイトで個人情報を要求するもの、金銭に関わる内容のメールは特に注意が必要といえます。さらに、外部から持ち込まれたUSBなどのリムーバブルメディアも使用前にスキャンし、安全性を確認してから使用するように、自社ポリシーを遵守することが大切です。

情報セキュリティ分野に精通したサービス「Coach Mamoru」

マルウェアは、個人や企業に大きな損害を与える悪質なソフトウェアです。最近の被害例には名古屋港やセイコーグループ、コクヨが含まれ、物流停止や個人情報の漏えいが発生しました。

マルウェア感染の被害を最小限にするには、企業のセキュリティ対策として、緊急時マニュアルの整備や従業員のセキュリティ教育が不可欠です。

日本パープルが提供するCoach Mamoru(コーチマモル)は、マルウェア対策など、情報セキュリティ分野に精通したコンサルティングサービスを提供しています。300社以上のコンサルティング実績を持ち、見過ごされがちなマルウェア感染のリスクについて、提案・対応いたします。

セキュリティに関する不安を抱かれている場合は、お気軽にご相談ください。

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