コンプライアンス研修はなぜ必要なのか?まずは取り組むべき研修も解説
コンプライアンスは、日本語で「法令遵守」を意味します。法律を守りながら企業として活動していくという意味ですが、コンプライアンスに含まれる範囲は広く、法律だけではなく倫理や社会規範も対象です。意外な内容がコンプライアンス違反となる可能性もあるため注意が必要です。そのため、研修によって、社員にコンプライアンス違反となる対象、リスクについて周知する必要があります。
そこでこの記事では、コンプライアンス違反となる例や、コンプライアンス研修の必要性などについて解説します。
コンプライアンス研修の必要性
コンプライアンスに違反すると社会的信用を失うだけでなく、最悪の場合、会社が倒産してしまう可能性もあります。コンプライアンス研修を行い、社員全員の意識を高めましょう。
教えなければ何がコンプライアンス違反なのかわからない
コンプライアンスという言葉は知っていても、具体的な違反内容や注意点は知らない社員も意外と多くいます。とくに新入社員は、どのような法律があるのか、何が違反しているか、わかっている人のほうが少ないでしょう。既存の社員にとっても、昔から行っていたことがコンプライアンスに反していると気づいていない場合もあります。そのため、コンプライアンスに関する研修を行い、会社全体として意識を高めなければなりません。
研修を定期的に行えばより意識付けできる
コンプライアンス研修は定期的に行うのが効果的です。日々の業務に追われてしまい、コンプライアンス意識が薄れてしまうケースもあります。また、法律改正や社会状況の変化により、求められる対応が変わる可能性もあるため、定期的な研修を開催し、コンプライアンス意識の向上や新しい情報提供に努めましょう。
コンプライアンス違反となる3つの具体例
ここでは、具体的にコンプライアンス違反となる例を紹介します。どのような企業にも当てはまる3つの例を紹介しますので、ぜひチェックしてください。
1.パワハラ・セクハラなどのハラスメント
パワハラやセクハラといったハラスメントは、多くの企業で起こりうるコンプライアンス違反です。パワハラ防止法により、企業は社内における精神的・身体的な攻撃をなくすよう義務付けられているため、内容をよく理解して必要な対策を取る必要があります。
また、法律に違反していないとしても、被害者や目撃者がハラスメントの実態をSNSやインターネットで告発するケースもあります。会社のイメージダウンや社会的信用の低下につながるため、十分注意しましょう。
2.マルウエアなどによる個人情報流出
個人情報をネットワーク上で管理・共有するケースも増えたため、個人情報流出も多くの企業で起こりやすいコンプライアンス違反といえるでしょう。個人情報保護法により、企業には個人情報の適切な管理が義務付けられています。
悪意を持ったプログラムであるマルウエアなどに会社のパソコンに侵入されると、顧客情報を盗まれたり、不正に利用されたりする危険性があります。ウイルス対策ソフトの導入やパスワード管理をしっかりと行い、大切な情報が流出するのを防ぎましょう。
3.不正会計
不正な会計処理を行い、黒字であるように見せかけたり、企業の価値を高く見せたりするのもコンプライアンス違反です。不正が明らかになると結局信用をなくしてしまうため、絶対に避けましょう。
4.法律的なコンプライアンス違反
商品の開発やサービスの提供といった企業活動を行ううえでは、例えば著作権法や法人税法など、さまざまな法律を遵守しなければなりません。
企業活動には、性別による差別をなくす「男女雇用機会均等法」、消費者に誤解を与える表現を禁止する「景表法」など、多くの法律が関わっています。コンプライアンス違反を防ぐため、自社の活動にどのような法律が関係しているのか、把握しておく必要があるのです。
5.自然破壊や虚偽広告などは倫理的なコンプライアンス違反
法律には違反していないとしても、環境を破壊するような開発や消費者を騙すような宣伝を行うと、社会的な信用を失ってしまいます。自然破壊や環境汚染、虚偽広告などは、倫理的なコンプライアンス違反です。企業に対する消費者の目も厳しくなってきているため、倫理や社会規範も守って活動していきましょう。
コンプライアンス違反により会社が倒産する可能性も
ここで紹介した以外にも、コンプライアンス違反となる事例はたくさんあるため注意が必要です。また、コンプライアンス違反により会社が倒産してしまうケースもあります。
帝国データバンクの調査によると、2018年度のコンプライアンス違反による倒産件数は233件で、7年連続で200件を超えています。[注1]
コンプライアンス研修を行い、社員に注意点を周知するなどの対策が必要といえるでしょう。
[注1]
帝国データバンク コンプライアンス違反企業の倒産動向調査(2018 年度)
コンプライアンス研修に取り入れるべき主要な2テーマ
コンプライアンスの範囲は法律面や倫理面など幅広いのですが、以下2つのテーマは多くの企業に当てはまるため、研修に取り入れるとよいでしょう。
1.ハラスメント研修
前述のとおり、セクハラやパワハラといったハラスメントは、多くの企業で起こりやすい問題です。自分では気付かないうちに、相手に不快な思いをさせている可能性もありますので、研修による意識付けが大切です。
また、無理やりお酒を飲ませるアルコールハラスメント、男らしさや女らしさを強要するジェンダーハラスメントなどの新しい概念も登場しています。社員が働きやすい社内環境を維持するためにも、コンプライアンス研修を取り入れましょう。
2.情報セキュリティ研修
情報セキュリティも、コンプライアンス研修の重要なテーマです。社内の機密情報や顧客情報が流出すると、信用の失墜など大きな損失につながります。情報セキュリティに関する対策は変化が早いため、常に最新の状況を把握して、定期的に研修を行っていきましょう。
コンプライアンス研修を行って企業価値を高めよう!
コンプライアンスの範囲は幅広く、法律を遵守するだけでなく、倫理や社会規範も守る必要があります。違反すると信用を失うだけでなく会社が倒産してしまう危険性もあるため、コンプライアンス研修を行い、社員全体の意識を高めましょう。
自社でコンプライアンスに関する最新情報を集めて研修を行うのが難しい場合は、外部機関に依頼するのもおすすめです。「日本パープル」では、情報セキュリティ研修のサポートをしていますので、ぜひご依頼ください。