2024年6月25日文書管理

企業のリスク管理に不可欠な機密文書の安全保管とは

企業のリスク管理において、機密文書の安全保管は欠かせない要素です。本記事では、機密文書の保管方法に関するガイドラインを4ステップで解説し、それがいかにリスク管理に貢献するかを解説します。効果的な文書管理が企業の安全性と効率性をいかに向上させるのか、文書保管サービスの利用がもたらすメリットなどについて、詳しく知っておきましょう。

機密文書保管にまつわる5つのリスク

機密文書とは、個人情報、企業秘密、契約関連情報など、企業や組織が保護すべき重要な情報を含んだ文書です。不適切な機密文書の保管はどのようなリスクをもたらすことになるのでしょうか。5つのポイントで見てみましょう。

情報漏洩のリスク

不適切な機密文書の保管は、情報漏洩のリスクを高めます。適切なセキュリティ対策が施されていない状態で機密文書を保管していると、不正アクセスや盗難などによって、重要な情報が外部に流出してしまう可能性があります。この情報漏洩は、企業の競争力の低下や信用の失墜につながり、深刻な損害を与えかねません。また、情報漏洩の対応にリソースが割かれたり、業務がストップしたりすることで大きな機会損失にもつながります。

コンプライアンス違反のリスク

機密文書の不適切な保管は、法令や契約事項に違反するコンプライアンス上の問題を引き起こす可能性があります。個人情報保護法や業界特有の規制など、機密情報の取り扱いに関する法的要件を満たしていなければ、企業は罰則や制裁の対象となる恐れがあります。また、民事上の損害賠償責任を問われ、数億円など高額の支払いを命じられるケースもあります。

企業イメージ低下のリスク

情報漏洩やコンプライアンス違反が公になった場合、企業の社会的評価は著しく損なわれることになります。その結果として、ビジネスパートナーシップや市場の地位に影響が及ぶだけでなく、長期的な販売減少や投資撤退が発生する可能性も否定できません。企業イメージの低下は修復が困難であり、そのため、企業の評判を保護する措置は極めて重要です。

業務効率低下のリスク

適切に整理されていない機密文書は、必要な情報にすぐにアクセスできない状況を生み出し、業務効率の低下を招きます。重要な文書を探すのに時間がかかったり、情報共有がスムーズに行えなかったりすることで、生産性の低下や意思決定の遅れが発生するかもしれません。これは、企業の競争力に大きなマイナスの影響を及ぼします。

災害時の情報喪失リスク

不適切な機密文書の保管は、火災や水害などの災害時に情報を喪失するリスクを高めます。適切なバックアップ体制が整っていない場合、物理的な文書が失われてしまうと、二度と復元できない可能性があります。これは、事業継続計画(BCP)の観点からも大きな問題となるのです。

以上のように、不適切な機密文書の保管は、情報漏洩やコンプライアンス違反、企業イメージや業務効率の低下、災害時の情報喪失など、さまざまなリスクを招きます。企業はこれらのリスクを認識し、適切な文書管理体制を構築することで、機密情報を守り安定した事業運営を実現する必要があります。

4ステップで解説! 機密文書保管方法のガイドライン

機密文書の適切な保管を実践するには何をすればよいのでしょうか。ここでは、機密文書の適切な保管を実行するためのガイドラインをご紹介します。4ステップで機密文書保管の流れを把握していきましょう。

1.文書の分類

機密文書の適切な保管は、社内の機密文書を把握し、分類することから始まります。分類の基準には、情報の機密性のレベル(たとえば、公開、内部用、秘密、極秘)、情報の種類(財務情報、個人情報、技術データなど)、および関連する法的要件が含まれます。社内の文書を誰でもアクセス可能なパンフレットなどの「公開」レベル、従業員のみがアクセスできる「社外秘」レベル、社内でも限られた人のみがアクセス可能な「秘密」や「極秘」レベルに分類することで、それぞれに対し適切な保管や廃棄の方針を定めることが可能となります。

2.文書の保管

実際の機密文書の保管に際しては、紙などの物理的な文書とデジタル文書で異なる対応が求められます。物理文書の保管では、施錠可能なキャビネットや安全性が保障された保管施設を用います。一方でデジタル文書は、適切な暗号化とアクセス制御を施し、定期的なバックアップとセキュリティ更新を行う必要があります。いずれの場合も、アクセスは基本的には限られた担当者のみとし、アクセス履歴を残す仕組みを構築することが重要です。近年は、物理的な機密文書を電子化することで保管スペースの削減や検索性・閲覧性を高める取り組みも盛んに行われています。

3.定期的なレビューと更新

機密文書の保管方法に関する「定期的なレビューと更新」は、保管されている情報が常に現状に適合していることを保証し、安全性を維持するために不可欠です。年に一度は文書の機密性のレビューを行い、関連する法的要件や業界基準の変更に応じて適宜更新を行いましょう。既存のセキュリティに対して新たな脅威が発生する可能性は高く、業務の変化によって情報の価値や機密レベルが変動することもあります。

4.文書の廃棄

機密文書の適切な廃棄は、情報漏洩を防ぐために極めて重要です。物理的文書については、シュレッダーにかけるか焼却処分する方法が一般的です。一方、デジタル文書の場合に注意すべきなのが物理的なデバイスを廃棄するタイミングです。単にファイルを削除するだけでなく、データを完全に上書き消去する、記憶媒体を物理的に破壊するなどデータ復元を不可能にするための対策が求められます。

これらのステップを適切に実施することで、機密文書の安全な保管と企業の情報セキュリティが確保されます。

「文書保管サービス」のメリットとは?

企業における機密文書の安全保管は、情報漏洩やデータの喪失からビジネスを守る上で極めて重要です。しかし、その徹底には多くの手間や人的・物理的リソースが必要となるのもまた事実。そこで、多くの企業が文書保管サービスを利用しています。具体的にどのようなメリットが得られるのでしょうか。

高度なセキュリティの享受

専門的な文書保管サービスを利用することで、企業は高度なセキュリティを享受することができます。文書保管サービスでは、監視カメラ、複数人による監視システム、最先端の防火システム、専門のセキュリティスタッフなどを備え、非常に厳格なアクセス管理を実施しています。これにより、機密文書が不正アクセスや災害から守られます。

省スペースの実現

オフィス内に大量の文書を保管する代わりに専門の施設に預けることで、企業はオフィススペースをより効率的に使用することが可能になります。これにより、作業環境の改善やほかの重要な機能のためのスペース確保が実現されるのです。

文書の整理・管理の効率化

文書保管サービスは文書の整理と管理を効率化します。専門の管理システムを用いて文書をカタログ化し、必要な文書を迅速かつ簡単に検索できるようにすることで、時間と労力の節約につながります。保管期限アラートなどを設定しておくことでコンプライアンス性を高められるといった効果も期待できるでしょう。

このように文書保管サービスは企業のリスク管理戦略の一環として有効であり、機密情報の保護とビジネスの効率化に大きく寄与しています。

安全な機密文書の保管に、書類専用保管サービス「SHOKO」が貢献する

企業のリスク管理に機密文書の安全保管がなぜ不可欠とされるのか、リスクと実行の手順を整理しつつ解説してまいりました。日本パープルの書類専用保管サービス「SHOKO(ショコ)」は、官公庁から金融業まで1200社以上の導入実績を持つ、書類専用の文書保管管理システムです。

業界トップレベルのセキュリティ性を持ち、専用のWEB管理システムで書類の預入から廃棄まで一元管理可能などそのメリットは少なくありません。機密文書の安全保管にお悩みの方はぜひ活用をご検討ください。

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