2025年3月12日文書管理

請求書の保管期間とは?保管方法や注意点・保存年数などを解説

ビジネスを行う上で欠かせない請求書。その取り扱いや保管方法には法的な義務が伴います。
しかし、請求書の保管期間や適切な保管方法については、意外と知られていないことが多いのが現状です。
本記事では、請求書の保管期間に関する基本的な知識から、正しい保管方法、注意点、そして保存年数について詳しく解説します。適切な請求書の管理を行うことで、後々のトラブルや税務調査を避けるためにも役立つ情報をお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

請求書とは


請求書は、取引先に対して支払いを求める文書です。通常、商品やサービスを提供した後に、対価として金銭を支払うよう依頼する目的で発行されます。請求書には、取引内容、金額、支払期日など、取引の詳細が明記されており、ビジネスにおいて重要な役割を果たします。請求書の正確な作成と管理は、取引先との信頼関係を保つためにも欠かせません。

請求書の保管期間

請求書の保管は法的に義務付けられており、一定の期間にわたって保管し続ける必要があります。特に税務署からの調査を受けた際に必要となるため、しっかりと管理することが求められます。では、具体的な保管期間はどのように決まっているのでしょうか。

 

法人の場合

法人の場合、税務署からの調査に備えて、請求書の保管期間は原則「7年間」とされています。この保管義務は法人税法や消費税法に基づいており、売上や仕入れに関連するすべての書類を7年間保管することが求められます。

ただし、2015年および2016年度の税制改正により、欠損金(赤字)が発生した場合、その繰越期間が10年間に変更されました。これにより、赤字が発生した事業年度の請求書は、10年間の保管が必要となります。

具体的には、赤字の繰越を行う場合、税務署が過去の事業年度に遡って調査することがあり、そのためには関連するすべての証拠書類、特に請求書が必要です。

出典:国税庁公式ホームページ No.5930 帳簿書類等の保存期間

 

個人の場合

個人事業主の場合、請求書の保管期間は基本的に「5年間」とされています。これは、所得税法に基づく保管期間であり、青色申告者・白色申告者を問わず適用されます。
特に青色申告者は、事業所得に対する青色申告特典を受けるために、正確な帳簿や証拠書類を保存する義務があります。一方、白色申告者の場合も、青色申告に比べると、帳簿作成の義務が軽いものの、請求書や領収書の保管義務については同様です。

消費税の課税事業者となっている個人事業主の場合は、仕入税額控除を受けるために「適格請求書」を保管する義務があります。
適格請求書は、2023年10月1日から施行されたインボイス制度により、仕入税額控除を適用するために必要な要件を満たす請求書です。このため、消費税の課税事業者は、インボイス制度に基づく適格請求書を7年間保管しなければなりません。

出典:国税庁公式ホームページ「記帳や帳簿等保存・青色申告」

 

請求書の保管期間年数の数え方

請求書の保管期間を数える際は、通常、請求書の発行日から7年間ではなく、「確定申告書の提出期限の翌日」を基準に数えます。
確定申告書の提出期限は、個人事業主の場合、通常は翌年の3月15日ですが、法人の場合は決算月によって異なります。法人は決算日の翌日から2ヶ月以内に確定申告書を提出しなければならないため、例えば、決算月が12月の場合、確定申告書の提出期限は翌年の2月28日(または29日)となり、その翌日から保管期間が開始されます。

そのため、例えば2025年に発行された請求書の保管期間は、個人事業主の場合は2026年3月16日(※3月15日が土日祝日の場合は、保管期間の開始日もずれ込む)から、法人の場合は決算月に応じて、例えば2025年12月決算の法人であれば、2026年3月1日から数え始めます。
この点を正しく理解しておくことで、保管期限を間違えずに管理できます。

送付した請求書の保管義務について


送付した請求書の保管義務については、受け取った側に対して義務が課されているのと同様に、請求書を送付した側にも保管義務があります。しかし、送付した側に関しては、請求書の写しを作成した場合にのみ保管義務が発生する点が重要です。

請求書を送付した側がその請求書の写しを自社で保管する場合、その写しには保管義務が発生します。この場合、請求書の保存期間は、通常通り確定申告書の提出期限の翌日から7年間保管しなければなりません。

請求書の保管方法

請求書の保管方法には、紙で保管する方法とデジタルで保管する方法があります。それぞれに利便性やメリット、注意点が存在しますので、どちらの方法を採用するかを慎重に決めることが求められます。

 

紙で保管

紙で受け取った請求書については、通常の7年間の保存義務に加え、保存状態が適切であること(例えば、読みやすく保管されていること)が求められます。また、紙で受け取った請求書を電子化して保存することも許可されており、その場合は、電子帳簿保存法の要件を満たした方法で保存する必要があります。

ただし、電子データで受け取った請求書については、電子データとして適切に保存する必要があり、紙で保管することは認められていません。

また請求書を紙で保管する場合、きちんと整理整頓された場所で保管することが大切です。
例えば、ファイルボックスやキャビネットなど、分類して保管できる場所を確保しましょう。また、紙での保管は、火災や水害などのリスクもあるため、防災対策を施した場所での保管をおすすめします。さらに、請求書の劣化を防ぐために、直射日光を避け、湿度管理を徹底することが重要です。

 

電子データで保管

請求書を電子データで保管すると、キーワード検索や日付別検索など、簡単に目的の書類を探し出すことができます。これにより、手作業での探し出し作業を大幅に削減でき、業務効率が向上します。

また紙での保管には膨大な物理的スペースが必要ですが、電子データであれば、ハードディスクやクラウドサービスに保存するため、物理的な保管スペースを必要としません。特に、膨大な量の請求書を扱う企業にとって、スペースの節約は大きなメリットです。

パスワードによるアクセス制限やバックアップによる情報保護により、紙で保管するよりも紛失のリスクなどを減らすこともでき、高いセキュリティを確保できます。

ただし、電子データで請求書を保管する際は、電子帳簿保存法に基づく要件を満たす必要があります。例えば、改ざん防止のための適切な保存方法、バックアップ機能、検索機能などが求められます。クラウド上で請求書を保存する場合、サービス提供者の信頼性やセキュリティ体制を事前にしっかりとチェックするようにしましょう。

請求書の電子化からその安全な保管を一気通貫でサポートする書類専用保管サービス「SHOKO」の利用がおすすめです。

 

マイクロフィルムで保管

現在では一般的な方法ではありませんが、マイクロフィルムによる保管方法もあります。
マイクロフィルムとは、書類や請求書などを縮小し、フィルムに記録する方法です。通常、1枚のフィルムに数百枚の文書を縮小して記録することができ、保存場所を大幅に削減できるという特長があります。

ただし、マイクロフィルムを作成したり、内容を閲覧するためには専用の機器が必要です。このため、フィルムに変換するための作業には時間とコストがかかります。よって現在ではあまり採用されていない保管方法となっています。

しかしマイクロフィルムは、耐久性が高く、長期間にわたって保存できる点が大きなメリットです。適切に保管されたフィルムは、何十年もの間、劣化することなく保存することができます。これは、特に長期間保管が求められる文書や過去の取引記録を管理する際に有効です。

インボイス制度導入での変更点は?


2023年10月から開始されたインボイス制度(適格請求書保存方式)は、消費税の仕入税額控除を受けるために必要な請求書の要件を厳格化する制度です。
この新しい制度により、これまでの請求書に加えて、適格請求書の保存が求められるようになり、企業にはさまざまな影響を及ぼしています。
 

適格請求書の定義

インボイス制度においては、仕入税額控除を受けるためには、適格請求書(インボイス)が必要です。これは、請求書に特定の情報を記載することが求められるというもので、発行者の登録番号や消費税額などが明確に記載されていなければなりません。
 

適格請求書の発行義務

インボイス制度導入により、取引先に適格請求書を発行する義務が生じます。この義務は、課税事業者に対して適用され、適格請求書が発行されていない場合、仕入税額控除を受けることができなくなります。
 

インボイス制度による影響

従来、請求書の管理は比較的簡素でした。消費税の仕入税額控除を受けるためには、基本的に請求書が「正式な証拠書類」として必要でしたが、その内容に特別な要件はなく、取引先名や日付、金額など基本的な情報が記載されていれば十分でした。消費税額の記載がなくても問題はなく、適切に税金計算を行うための基礎的なデータが記録されていれば良かったのです。
請求書の保存方法は、通常、紙で保管されることが多かったほか、電子データとして保存される場合でも、その保存義務はなく、保存期間も法律で定められた期間(5年または7年)を守ることが求められるのみでした。
仕入税額控除を受ける際は、適切に請求書を保存しておくことが重要ではありましたが、消費税額が記載されていなくても控除を受けることはできました。事業者間での請求書の管理方法に関しては、比較的緩やかな管理基準が適用されていたのです。

インボイス制度導入後は、電子保存が強化され、電子データで請求書を管理することが推奨されています。また、保存期間や保存方法についても、電子帳簿保存法の改正により、保存義務がより厳格化されています。
より明確で正確な情報を提供する必要があるため、システムやプロセスの改修が求められます。適格請求書を発行するためには、事業者の登録番号の取得や、新たなフォーマットへの対応が必要となります。

電子帳簿保存法が改正による変更点は?


2022年に電子帳簿保存法が改正され、電子データでの請求書の保存がさらに厳格に規定されました。以下に改正されたポイントを詳述し、具体的にどのような変更があったのかを説明します。
 

電子帳簿保存法が改正について

電子帳簿保存法の改正により、電子データの保存方法に関して新たな要件が追加されました。従来は紙での保存が一般的でしたが、デジタル化が進む中で、電子データの保存が重要になっています。
 

電子化での請求書の保存期間について

これまで紙での保存と電子データでの保存に関して異なる保存期間が設定されていましたが、電子帳簿保存法の改正後、電子データとして保存する場合の保存期間についても変更がありました。従来の7年間の保存義務が厳格化され、電子データでもこの期間を満たさなければなりません。
 

電子取引の保存要件について

新たな改正では、電子取引によるデータ(メールやWebで受け取った請求書など)の保存が義務付けられ、さらに電子帳簿の保存要件が強化されました。

電子取引で受け取った書類は、PDFや画像ファイルとして保存することが可能ですが、改ざんができない形態で保存することが重要です。電子帳簿保存法では、証拠能力の担保が求められるため、データは消去・改ざんされないように管理しなければなりません。
一部の事務処理では、税務署の事前承認を得る必要があり、これにより改正後の法規制に準拠するための準備が求められます。特に、電子取引の取引先から受け取った請求書について、どのように保存するかについて注意が必要です。

出典:国税庁「電子帳簿保存法が改正されました」

請求書保管の注意点


請求書の適切な管理と保管は、税務調査やコンプライアンスにおいて非常に重要です。適切に保管されていない請求書は、税務署からの指摘や罰則を受ける可能性があります。以下では、請求書を管理・保管する際の重要な注意点をいくつかご紹介します。
 

入出金に分類して管理する

請求書の管理において、入金と出金を別々に管理することは、効率的な保管と追跡において非常に重要です。請求書の内容が売上に関するものか仕入れに関するものかを分けて管理することで、売上税額や仕入税額控除を適切に管理でき、後の処理や税務申告をスムーズに行うことができます。

請求書を受け取ったタイミングでタイムリーに入金・出金の記録を行い、帳簿との整合性を保つことが大切です。
 

発行する請求書には請求書番号を付ける

請求書を発行する際には、請求書番号を必ず付けるようにしましょう。請求書番号は、請求書の管理において非常に重要な要素であり、後で請求書を特定するための重要なキーとなります。

なお、請求書番号は、連番で発行し、一貫して管理することが求められます。
請求書番号の重複を防ぐためにも、管理システムを使って記録し、番号が飛ばないように注意しましょう。取引先や発行日ごとに管理するのがおすすめです。
 

レシートの管理に注意する

レシートは、企業の経費管理において重要な役割を担います。請求書と同様に、レシートの保管も慎重に行う必要があります。レシートを紛失したり、破棄したりすると、税務調査で不正が指摘されることがあります。

レシートも、通常の請求書と同じく、7年間の保管義務があります。レシートを保管する際には、文字が消えないように風通しが良い冷暗所に保管しましょう。
最近では、レシートをスマートフォンで撮影して電子データとして保存する方法が増えており、効率的なレシート管理が可能です。

まとめ


インボイス制度や電子帳簿保存法の改正により、請求書の管理方法は大きく変わり、従来の管理方法では対応しきれないことが増えてきました。特に、適格請求書の発行や保存が厳格に求められ、これまで以上に正確で効率的な管理体制が必要とされています。企業にとっては、新たなシステムの導入などの調整が不可欠です。

その中で、株式会社日本パープルが運営する「SHOKO」は、書類の保管・管理にかかる手間を大幅に削減できるサービスを提供しており、インボイス制度や電子帳簿保存法にも対応した請求書管理をサポートしています。

SHOKOのシステムでは、書類の保管期限を設定でき、期限が来た書類は自動的に「廃棄」の手続きを行ってくれます。これにより、無駄に書類を保管し続けることなく、定期的に整理が進み、保管スペースを無駄に使うことがありません。

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