2023年12月20日文書管理

リーガルテックとは?メリットや導入時の注意点を解説

昨今、日本で市場規模を拡大しているリーガルテック。企業のDX化が進む中「導入すべきかどうか悩んでいる」という企業も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、リーガルテックの定義を再確認するとともに、企業がリーガルテックを導入するメリットや導入時の注意点などについて解説します。

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リーガルテックとは?

リーガルテックとは、Legal(リーガル)とTechnology(テクノロジー)を組み合わせた造語で、法律に関する業務の効率性や精度を向上させるITサービスやツールのことです。昨今注目を集めている電子契約サービスや契約書管理サービスもリーガルテックに含まれます。

リーガルテックには以下のようなサービスがあります。

<リーガルテックの一例>

  • ・電子署名
  • ・契約書管理
  • ・契約書レビュー
  • ・文書管理
  • ・契約作成・締結・管理
  • ・登記・登録
  • ・法律相談
  • ・知的財産
  • ・フォレンジック

リーガルテックは訴訟資料の精査をITで効率化させることを目的にアメリカで発展したサービスです。日本国内では、政府が推奨する働き方改革や企業のDX化の流れを受けて徐々に普及し、現在では企業の発展に欠かせない要素となっています。

リーガルテックのメリット

リーガルテックを導入するメリットには、以下のような点があります。

業務効率化

具体的には、文書管理やチェックなどの業務をデジタル化することで従業員の作業時間が省略され、業務の効率化が可能になります。電子契約サービスなら契約書を印刷して発送する作業などが不要になりますし、文書管理サービスを利用すれば必要なデータや書類を探す時間が短縮できます。

リモートワークでも対応可能

リーガルテックは多くの場合インターネット上で完結するため、リモートワークを導入している企業に適しています。従来、法務関連など押印が必要な業務はオフィスでの作業が必須でしたが、リーガルテックを導入することで日時や場所を問わず書類の作成・提出が可能になります。

テレワークやハイブリッド型ワークといった多様な働き方には、リーガルテックの活用は必要不可欠だと言えます。

品質の均一化

例えば文書の作成を手作業で行う場合、どうしても誤字脱字や担当者による入力のクセが出てしまうものです。しかし、リーガルテック(例:文書作成サービスなど)を利用すればそうしたばらつきがなくなり、品質が均一化されるでしょう。

品質の均一化は作業の抜け漏れやミスを防ぎ、結果として生産性の向上に繋がります。

検索性の向上

リーガルテックは検索性の向上に貢献します。例えば、文書管理サービスを利用することで、膨大な量のデータの中から検索機能を使って必要な資料を迅速にピックアップすることができます。契約書のひな形チェックや統計作業などで役立つでしょう。

さらに、離れた場所で作業しているメンバーと資料を共有しやすい点もメリットとして挙げられます。

コスト削減

リーガルテックで業務を効率化することは、あらゆる面でのコストカットに繋がります。具体的には、契約書や文書が電子化されることで紙の印刷代や郵送代などが不要になるほか、ペーパーレス化によって保管スペースを削減することができます。

前述の通り、業務効率化で人件費を抑えられる点も実質的なコストカットと言えるでしょう。

リーガルテック導入における注意点

リーガルテックには上記のようなメリットがありますが、導入時には以下のような注意点があります。

電子契約に対応していない場合がある

リーガルテックの代表格と言えば電子契約サービスですが、契約の種類によっては電子契約が不可となっているものがあります。せっかく電子契約サービスを導入しても使用できなければ意味がないため、導入前に対応しているかどうかを確認する必要があります。

参考:【2022年最新版】電子契約ができる契約とできない契約を解説

弁護士法第72条に抵触しないか

弁護士法第72条とは、「弁護士でない者が報酬を得る目的で弁護士しか行う事ができない業務を行う事を禁止する」という法律です。従来、AIによる契約書チェックは違法となる可能性があり、グレーゾーンであることが指摘されていました。

しかし、令和5年8月1日法務省がAIによる契約書チェックが違法にならないための「ガイドライン」を公開。リーガルテックを提供する事業者が同条を遵守する上で参考となるものとなりました。リーガルテックの活用についてはまだ曖昧な部分が多く、導入を検討している企業はこうした関連情報に留意しながら進めていく必要があるでしょう。

参考:法務省

AIによる情報提供の正確性は人の目で確認する

AIによる情報提供や情報精査は、必ずしも正確であるとは言い切れません。予期せぬ不具合で誤作動などが起こり得る可能性があるため、AIを利用した場合は最終的に目視で内容を確認する必要があります。法律に関する業務では、些細なミスが取引先とのトラブルに発展しかねません。AIはあくまで作業を効率化するツールの一環として捉え、社内で慎重にチェックを行いましょう。

トラブル時の確認

前述の通り、AIを活用するリーガルテックはバグや設定ミスといったリスクの可能性を含んでいます。他にも、サーバーがダウンして機能しないケースなどあらゆるケースを想定しておかなければなりません。トラブルを100%防止することは難しいため、リーガルテック導入時には予めトラブル発生時の責任の所在やバックアップについて確認しておく必要があるでしょう。

導入方法のポイント

最後に、リーガルテック導入を進めるうえでのポイントを見ていきましょう。

目的を明確にする

まずは、リーガルテックを導入する目的を明確にしましょう。自社の課題は何か、どのような課題解決のためにリーガルテックを導入するのか、具体的な目的を設定します。目的が曖昧な状態で導入すると費用と手間だけがかかって効果が得られず、企業にとって不利益となってしまいます。また、導入後にどれくらいの結果を出せるのか、コストパフォーマンスを試算してから導入を進めると良いでしょう。

普段の業務フローにのせられているか

リーガルテックの導入で業務フローがどのように変化するのかは予め確認しておかなければならないポイントです。導入後のシミュレーションを行い、不安な点は導入前に解決しておきましょう。サービスを本格的に導入する前に、トライアルがあれば活用してみるのも一案です。

適用範囲を決定する

リーガルテックの導入が決定したら、まずはどの範囲から適用していくのかを決めましょう。その際、いきなり大規模な範囲で適用するのではなく、まずは一部の部署からスモールスタートで導入することをおすすめします。段階的に進めることで課題の洗い出しと対応をスムーズに進めることができるほか、予算面でも導入しやすいでしょう。

契約書管理サービス「ConPass

情報セキュリティ分野に精通している日本パープルでは、リーガルテックの一つである契約書管理サービス「ConPass」 を提供しています。「自社にリーガルテックが必要かどうかわからない」という場合も、課題の洗い出しから丁寧にサポートいたします。

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