2022年1月14日文書管理
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コロナ禍、企業が直面した「紙問題」とは|電子化はアフターコロナのキーワード

コロナ禍、企業が直面した最大の壁は「紙問題」

コロナ禍においては、在宅勤務やテレワークを、VPNなどリモートでのIT環境が不十分なまま、試行錯誤でテレワーク体制に踏み切った企業が多々ありました。建設・製造・接客・販売・医療といった対面を伴う業種はもとより、生産部門・経理部門・物流部門など在宅では処理できないプロセスを抱える部署でも、テレワークのスムーズな実施は容易ではありませんでした。緊急事態宣言下においても、ハンコ承認や紙の書類処理のために多くの社員が出社せざるを得ない事態に陥りました。

もちろんテレワーカーに転向できた企業の社員にも、悩みはありました。慣れないWeb会議に追われて疲れてしまったり、勤務や業績を実地で見て評価してもらえない評価制度をどうするか、といった問題です。しかし総じて、テレワークへ進行するにあたり、最大の課題となったのは、企業の「紙問題」でしょう。

企業が直面した「紙問題」とは、重要書類を<紙で保管しよう>とする動向です。テレワーク遂行の基盤となる「ペーパーレス化」を根本から妨げる性質のものでした。紙で業務を回す長年の仕組みにより、テレワーカーたちを紙書類の確認目的で出社させ、在宅仕事を困難にしたのです。

企業の「紙問題」を生じさせた原因は4つ

「紙問題」を生じさせた理由は、4点あげられます。

原因1.業務書類がデータ化されておらず、紙形式で保存している。

原因2.業務上必要なフローに、紙での申請・承認・押印のプロセスがある。

原因3.経営陣や社員の「ITリテラシー」が低い。

原因4. <紙が必要>と思い込む組織文化がある。

まずは、原因1の<業務書類がデータ化されていない・紙形式で保存>されていた課題について、テレワーカーと非テレワーカーの両方の立場から、検証していきたいと思います。

「紙問題」の原因1 :業務書類が紙形式
テレワーカーの半数が“資料をネット上で共有できないこと”を課題にしていた!

「紙問題」を引き起こす原因1:<業務書類がデータ化されておらず、紙形式で保存している>についてですが、その実態はどうだったのでしょうか。

日本生産性本部がまとめた「新型コロナウィルスの感染拡大が働く人の意識に及ぼす調査」では、2021年5月時点でのビジネスパースンの抱えるテレワークの課題が浮き彫りとなっています。

テレワーカーに対し、<テレワークで困ったことや課題は何ですか>という質問をしています。上位に挙げられた課題を見ると、1位に、“職場に行かないと閲覧できない資料・データのネット上での共有化”がリストアップされ、48.8%と最多をマーク。

約半数のテレワーカーが、「ペーパーレス化」できていない資料やデータ共有の仕組みが確立していないために職場に行かざるをえないことが深刻な課題だと、とらえていることが分かります。

「紙問題」の原因1 :業務書類が紙形式
非テレワーカーの半数も、”不十分な「ペーパーレス化」“を課題にしていた!

同調査では、テレワークを実施しなかった企業内の回答者にも「テレワークに関して困ったことや課題」を尋ねています。課題の1位に選ばれたのは、当然ながら、”在宅勤務ではできない業務がある”こと(77.3%) でした。

そして課題の2位は、”ペーパーレス対応が不十分“(45.9%)だったのです。”決裁等の「電子化」対応が不十分”(44.8%)といった項目も3位に続きました。「電子化」できない業務の存在に続いて、約半数の非テレワーカーが”不十分な「ペーパーレス化」“がテレワーク実現を妨げる大きな原因である、ととらえていたのでした。

「紙問題」の原因2 :業務フローが紙形式
テレワーカーの7割の会社で、デジタルな”ワークフローを導入”していた!

次に「紙問題」を引き起こす原因2:<業務上必要なフローに、紙での申請・承認・押印のプロセスがある>について、みていきましょう。

ワークフロー総研が行った「テレワークとワークフローの導入実態に関する調査」結果(2021年5月)があります。テレワーカーに<あなたの会社では、稟議や社内申請書類がデジタル完結*で行えるシステムや仕組みが導入されていますか>と質問したところ、”導入されている”という回答が73.2%を占めました。
(*デジタル完結とは、電子決裁システムなどのワークフローシステムで、一度も紙を出力せずにシステム上で完結することを指します。)

この結果から、テレワーク体制へ順調に転向できている会社とは、書類手続きをデジタル完結できる仕組みを導入している会社である、と推論できます。

「紙問題」の原因2 :業務フローが紙形式
非テレワーカーの9割が、デジタルな”ワークフローの導入はテレワークに必要”と考えている!

同調査では、テレワークを行っていない非テレワーカーに対しても、<あなたの会社では、稟議や社内申請書類がデジタル完結で行えるシステムや仕組みが導入されていますか>と質問しています。
結果、”導入されていない”という回答が64.1%と高いスコアを占めました。さらに、<ワークフローシステムの導入は、テレワークの実現のために必要だと思いますか>との問いには、”とても必要”が41.7%、”やや必要“が50.0%という回答結果でした。

つまり、ワークフロー未導入の会社に所属する非テレワーカーの9割が、デジタルなワークフローの仕組みを導入したらテレワークを推進できるのに、と考えていると推論できます。

「ペーパーレス化」は、もはや国単位で加速


「ペーパーレス化」は、既に企業単位で取り組む段階をこえ、政府主導のもと、国家単位で推進されつつあります。

「ペーパーレス化」推進のための法整備も着々と進められました。「電子帳簿保存法」や「e-文書法」に加え、2019年の「働き方改革」の重要施策には「ペーパーレス化」が掲げられています。2021年に発足したデジタル庁を中心に企業ではDX化の動きが加速するでしょうし、2022年1月から適用の電子帳簿保存法改正でも 、帳簿の電子保存が緩和されることで、企業の「ペーパーレス化」にますます拍車がかかることでしょう。

業務書類の「電子化」は、急いだほうがいい

業務書類の「電子化」を前提としたデジタルなワークフローの導入は、世の中のペーパーレスな動きにキャッチアップするために、急ぐ必要があります。
たとえテレワーク未導入のまま、緊急事態宣言解除後にオフィス出社を全面復活した企業であったとしても、DX化の洗礼を受けていくだろうことは必至だからです。

テレワークを軌道に乗せることのできた企業の多くがコロナ禍のネガティブな影響を比較的受けにくく、安定した経営を維持できていたことを教訓に、来る災害や不況に備えておく必要があるでしょう。
その際、いきなり最新技術のAIやIoT、ARやVRを導入しようとか、デジタル人材を早期育成しよう、と背伸びするよりは地に足をつけて今できること、まずは業務書類の「電子化」に着手するのがおすすめです。離れた場所からも社員同士がつながり、支障なくテレワークが遂行できる基盤を整えておくことが次のパンデミックへの備えとなり、不透明なアフターコロナ時代を生き抜く力となります。

「電子化」をフルサポートする日本パープル

日本パープルの「電子化」サービスは、スキャニング、データ入力代行から運用・管理にわたる全工程をフルサポートします。

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