従業員満足度が低い会社必見!正社員222人に社内の“いらない”制度を聞いてみた
株式会社日本経営協会総合研究所の調査が示すように、従業員の意識や満足度が高い会社は、労働生産性が高く良い業績をあげる傾向にあることが、近年分かってきました。
従業員満足度を左右する要素はたくさんありますが、その中でも総務と強く関係しているのが「社内制度」。従業員にとって良かれと思って作った制度が、社員が求めるもの違うものになってしまうと、満足度を下げることにつながってしまいます。
社員は会社にある制度について、どのように感じているのでしょうか。今回は、会社で正社員として働く222人にアンケートをとり、社内にある“いらない”制度について本音を聞いてみました。
対象者は25歳~49歳。幅広い年齢層にアンケートを実施!
今回アンケートの対象になっているのは、正社員として会社で働いている222人。年齢層は25歳から49歳までと幅広く、さまざまな立場の人から会社に対する本音を聞くことができました。
それでは、アンケートの結果を見ていきましょう!
まずは現状を知るところから!会社に満足していない社員は65%!?
最初の質問は、「あなたは、現在働いている会社に満足していますか?」。従業員の会社に対する満足度について、ストレートに聞いてみました。
上のグラフを見ると分かるように、「とても満足している」「満足している」と回答した人が全体の35%弱。見方を変えると、全体の約65%が今の会社に対してあまり満足していないということが分かります。
皆さんの会社でも、従業員満足度調査をするとおそらく似たような結果を得られるはず。会社をこれから更に成長させていくためにも、従業員が働きやすい会社作りをしていく努力が求められているのです。
制度自体ではなく運用体制が問題?社内の“いらない”制度3選
続いては、本記事の核心である「社内にある“いらない”制度」について聞いてみました。今回は、寄せられた回答の中でも特に数が多く集まった3つに絞って紹介しましょう。
1.ノー残業デー「業務量が変わらないから、社員の負担が増えるだけ」
最初に紹介するのは、「ノー残業デー」。
特定の日を指定して、その日は定時になったら残業せずに帰らせる制度です。多くの企業で実施しているこの制度ですが、なぜ不要だと見なされているのでしょうか。
理由として挙げられたのは、「実質の仕事量は減っておらず、社員の負担が増えるだけだから」「実施されておらず、形骸化しているから」といったもの。社員に、自分の好きなことに時間を使ってリフレッシュしてもらうことが本来の目的であるはずですが、これでは本末転倒です。
ノー残業デー制度を効果的に運用するなら、その分の業務効率化策を全社的に考え、社員の負担を減らして実施するようにしましょう。
2.日報・週報の提出「評価に反映されている気がしない」
続いて挙がったのは、「日報・週報の提出」。
1日や1週間の振り返りを書く日報・週報は、人事評価の対象として上司に提出を義務づけている会社が多いのが現状です。
社員がこの制度を不要だと感じている大きな理由とは、「給与査定などの評価に反映されている気がしない」「誰からもコメントが返ってくるわけでもなく、モチベーションが上がらない」といったものが挙げられました。
こうした意見が出る原因は、日報・週報を会社側が活かしきれていないところにあります。給与査定や配属に活かすのであれば、日報・週報の内容について上司からフィードバックをする機会を定期的に設けるようにしましょう。
制度は枠組みだけ作っても、実際の運用まで考えておかなければすぐに形骸化してしまいます。部署を超えて連携をとって、制度の運用方法について今一度話し合ってみてはいかがでしょうか。
3.フレックスタイム「社員が遅い時間にしか出社しなくなり、業務に支障が出る」
最後に紹介するのは、「フレックスタイム制度」。
社員が社内にいなければならない時間(例:11時~15時)をコアタイムとして設定し、その時間にオフィスに居さえすれば出社時間・退社時間を社員が自由に決められる制度です。
この制度が不要だと言われている理由としては、「実際には誰も使えていない」「社員が遅い時間にしか出社しなくなり、業務に支障が出るから」といったものが挙げられました。日報・週報のときと同じように、運用体制が整っていないのが原因です。
会社に絶対集まらなければならない会議等は、すべてコアタイムにやるよう徹底する。これが、上手く運用するための近道です。
経営陣や各部署のマネージャーと連携して、会社でなくてはできない業務を部署・チーム単位で洗い出し、すべてをコアタイムで実施するようにしてみてください。
他部署の従業員から総務へ「もっと実情に合った制度を……」
今回のアンケートでは、「総務に改善してほしいことは何か」という、総務にとって耳の痛い意見も募集しました。
好意的な意見も見られた一方で、一定数挙げられたのが「もっと実情に即した制度を導入してほしい」という声。総務は他部署との関わりが薄いケースが多いため、導入する制度が効果的に運用できない状況が起きてしまうのです。
では、総務と他部署の社員との間のこうした溝を埋めるためには、どのような方法をとればいいのでしょうか。続いての質問に寄せられた回答をもとに解決策を考えていきましょう。
「匿名意見の募集」が社員の本音を聞き出すカギ!
アンケートの最後は、「総務に意見を言いやすい環境をつくるためにしてほしいこと」を聞いた質問。
圧倒的に多かった回答は、「匿名で意見を言える機会・仕組みがほしい」というものでした。社員の中には、会社に意見を言うことにためらいを感じてしまう人もいるもの。しかし、そうした人も会社を改善するための有用な意見をたくさん持っているはずです。
匿名性にして意見を言うハードルを下げることによって、会社を改善するヒントが詰まった意見を以前よりも多くもらえるようになるでしょう。
こうして集まった意見1つひとつに真摯に対応することによって、「総務はちゃんと自分たちの声を聞いてくれている」という感覚を社員が持てるようになるのです。
他部署を手を取り合い、従業員が満足できる制度運営を
今回のアンケートを振り返ってみると、社内制度自体に無駄なものはあまりなく、運用体制が整っていないまま制度を走り始めてしまっていることに問題があることが分かります。
運用は総務のみで完結させることは難しく、他部署との連携が不可欠です。ぜひ他部署の社員の声を拾い上げる機会を設けることによって、両者の協力体制を作っていきましょう。
地道な歩み寄りを積み重ね、従業員が満足して働ける環境をつくっていってみてはいかがでしょうか。
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