機密文書とは? 気を付けておきたい3つのポイント
昨今、情報の取り扱いに関する世間の目は年々厳しくなっていることは周知のとおりでしょう。機密文書や機密情報を正しく取り扱っているかどうかは、企業にとって全社員が取り組むべき最優先課題といっても過言ではありません。そこで今回は、新入社員に向けて機密文書の定義や最低限知っておくべきルールについて解説します。
機密文書とは?
機密文書とは、漢字の通り「企業に関する極めて重要で秘密保持が必要な文書」のことです。さらに「関係者以外に漏えいすると、組織や企業に不利益を被る情報を含む文書」と定義付けることができます。
機密文書分類
機密文書は機密の度合いによって次の3種類に分類することができます。機密文書は重要度によって管理方法が異なりますが、まずは機密文書の分類について見ていきましょう。
極秘文書
最も重要度が高い文書です。国家が扱う極秘文書は「漏洩が国の安全、利益に損害を与える恐れのある情報を含む行政文書」とされています。企業においても極秘文書は企業の経営に直結するような機密性の高い文書を指し、社内でも知ることができるのは上層部の一部に限定されています。
(例)非公開の特命プロジェクト、一部の経理情報など
秘文書
極秘文書の次に重要度の高い文書で、一部の人がアクセスできる文書などを指します。
(例)人事情報、重要契約書など
社外秘文書
3つのうちで最も重要度が低い文書ですが、社内でのみ共有が許され、社外の人間に漏らしてはならないレベルの情報を含む文書です。部外に漏らすべきではないとされる部外秘文書もあります。
(例)営業情報、会議の議事録など
機密文書漏えいで被ること
企業の情報は、どのようなレベルであっても会社の資産です。万が一企業から機密文書が漏えいしたら、どのような被害が発生するのでしょうか。
刑事民事責任
機密情報を漏えいさせてしまった場合、個人や事業主に刑事責任が問われる場合があります。たとえば、不正競争防止法では「営業秘密を不正に取得する」ことが禁止されており、不正の要件を満たした場合に10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金、または両方に処せられる可能性があります。
過去にも、従業員が退職前の商品企画などの情報を転職先へ持ち出し逮捕・起訴された事件が発生しており、機密文書の漏えいには厳しい措置が課せられるということを肝に銘じておきましょう。
賠償金
刑事罰の他に民事上の損害賠償請求が発生する可能性も知っておかなければなりません。
例えば、個人情報が漏えいした場合、被害者から損害賠償を請求されるケースは多々あります。損害賠償金の相場は1人あたり3,000円〜5,000円ですが、漏えい件数が多く費用が高額になるケースも少なくありません。
会社の利益を失うだけでなく関連する対応や作業が必要になるため、会社に与える損失は大きいでしょう。
ブランド毀損
ブランド毀損とは、企業のブランド価値やイメージが壊れてしまうこと。企業が有名であればあるほどその代償が大きくなりますが、すべての会社に起こり得ることであり、昨今ではSNSを介して対応する暇もなく拡散されてしまうのが難点です。
一度失った信頼やイメージを回復するのは難しく、健全な営業活動を継続させるためには賠償金や罰則を支払うことよりも社会的信頼やイメージを維持する方が重要だと考える人もいます。
最低限実施しなければならないこと3選
では、機密文書を漏えいさせないために、どのようなことに取り組めば良いのでしょうか。さまざまな事項がありますが、ここでは新入社員が特に気をつけておきたいポイントを3つ、ピックアップしてご紹介します。
メール・SNS等での意識
今やプライベートのみならず業務においても便利なコミュニケーションツールとなっているメールやSNSは、その扱いに注意が必要です。
特にSNSでは、関係者のプライベートアカウントから発信された情報や家族を通じた発信が情報漏えいに発展してしまうという事例が発生しています。例えそれが悪意のない発信だったとしても、些細な情報から大きな事故に発展し、企業に損害を負わせる可能性があります。企業に関する情報は口外しないこと、これを社会人の心構えとして覚えておきましょう。
書類・物品持ち出しにおける厳格な管理
次に気をつけておきたいことは、書類や物品の持ち出しです。機密文書を社外へ持ち出し、紛失・盗難にあった事例は後を絶ちません。紙の書類以外にも、情報が入ったUSB、タブレット、カメラなどの持ち出しは原則として行わないことが情報漏えいを防止する最も有効な対策だと言えます。
やむを得ず持ち出す必要がある場合は、所用が終われば可能な限り迅速に持ち帰ること、持ち出し時の記録をつけておくことなどのルールを設定しておきましょう。
適切な紙の機密文書処理
機密文書の情報漏えいを防ぐためには、適切な機密文書廃棄を行うことも一つの有効策です。機密文書の処理方法には焼却処理や溶解処理の他、社内ではシュレッダーを使った方法が手軽で一般的となっています。
しかし、量が多い場合にはそれなりの手間がかかり、進めている仕事の手を止めてしまうことになります。また、社内に限られた数しかないシュレッダーはすぐに容量が満杯になってしまい、廃棄したい時に廃棄できないといった場合も。
昨今では「機密文書を手軽に処理したいけれど、安全面や環境面にも配慮したい」といったニーズから、より高度なセキュリティ対策やリサイクルに対応した、利便性の高い機密文書処理サービスが注目を集めています。
今回はこの適切な機密文書処理に便利な、おすすめの機密文書処理サービスをご紹介します。
Smart保護(まもる)くん/株式会社日本パープル
株式会社日本パープルは1972年創業、機密抹消処理サービス業シェアナンバー1*を誇る老舗企業です(*矢野経済研究所調べ)。
保護くんは、20,000以上の事務所で利用されており、多くの大手企業でも導入済。設置されたボックスに処分したい機密文書を投函するだけで、安全かつ手間をかけずに処理することができるサービスです。
適格審査に合格しセキュリティ教育を受けた社員のみが文書回収を担当し、紙資源としてリサイクルを行っているほか、森林伐採抑止量やCO2排出抑止量の目安を記載した書類を、抹消処理証明書と合わせて発行することが可能です。