戦略総務③社内の重要書類や印章の効率的管理

本コラムでは、昨今注目を集めている「戦略総務」について解説をお届けしています。第3回となる今回のテーマは「社内の重要書類や印章の効率的管理」に焦点を当て、戦略総務としてどのような視点で社内の書類管理を進めていくべきなのか、具体的な戦略例を交えて解説します。

これまでの戦略総務のおさらい

戦略総務とは、企業の課題を率先して発見・解決に取り組むことを役割とした総務のことです。備品管理や各部署のサポート、来客対応といった管理業務を主体とする従来の総務とは違い、能動的な行動が求められるため「攻めの総務」とも言われます。

戦略総務が関心を集めている理由には、昨今の著しい情勢の変化や働き方の多様化などあらゆる環境要因が挙げられます。特に、アウトソーシングサービスの充実によってこれまで総務が行ってきたルーティンワークの価値が低下してきたことも大きな要素と言えるでしょう。

戦略総務が能動的な行動を起こすためには、これまでとは異なる視点を持つことが重要です。例えば社内の備品が壊れた際、新しい備品を補充したり代替え品を探したりすることが総務の役割でした。

一方、戦略総務ではそれらのルーティンに留まりません。具体的には、業務効率化のために「補充の仕組みを自動化すること」や「そもそもその備品は本当に必要なのか」という前提を疑うなどして、根本的な課題を考える必要があります。課題発見から解決まで、その業務は多岐にわたります。

戦略総務への理解を深めるために、過去の戦略総務シリーズの記事も合わせてご参照ください。

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社内の重要書類や印章について再確認

従来からの総務の役割に重要書類の管理があります。個人情報漏洩などのセキュリティ事故が頻発している昨今、重要書類を適切に管理することは企業運営を左右する最重要課題と言っても過言ではありません。

重要書類とは一体どのようなものを指すのか、まずはその定義を再確認しておきましょう。

重要書類の3つの区分

重要書類には、極秘文書、秘文書、社外秘文書の3種類があり、それぞれ機密レベルが異なります。

<重要書類の3つの区分>

  1. 1. 極秘文書 (例)一部の経理情報、非公開の技術情報など
  2. 2. 秘文書 (例)経営戦略、営業企画、新人事、会社方針など
  3. 3. 社外秘文書 (例)顧客情報や契約情報など

印章

また、印章も重要書類と同等の扱いが必要です。会社で使用する印章には代表者印、役職者印、銀行印、社印などが挙げられます。企業間の取引において、印章は法的効力を持つものであり、使用方法や管理方法については規定を定めて対応しなければなりません。

具体的な戦略例

従来の総務では、「重要書類や印章をいかに厳重に管理しておくか」が求められていましたが、戦略総務ではどのような視点が必要になるでしょうか。ここでは、以下の3点をピックアップして解説します。

ルールの策定

円滑な業務遂行のため社内には様々な規定がありますが、属人性が高くなりがちな業務にこそルールを制定することがポイントであり、「この業務はこの人でないと分からない」といった環境は効率化の妨げとなります。

例えば、以下のようなケースです。

<一例>

  • ・文書の廃棄ルール
  • ・一時保管スペースの創設
  • ・ファイリング、ファイル名の付け方のルール
  • ・各種書類の書式統一
  • ・持ち出し等のルール

特に、個人によって異なる書式を使用している場合、まずどこに何が書かれているかを把握しなくてはならず予想以上に時間を消耗してしまうものです。書式が統一されていれば、業務が効率化され生産性の向上が期待できます。

電子化

生産性向上を目的とするならば、書類の電子化は有効な手段です。昨今注目を集めている電子契約もその一種で、契約書の作成作業や送付作業などを減らすことで従来の作業時間を大幅に省略できます。さらに、電子化は検索性やセキュリティ性の向上にも貢献するなどのメリットが多くあります。

従来の仕組みを大きく変えることに抵抗を感じる人がいるかもしれませんが、こうした新たな取り組みを推進することが戦略総務に求められる役割の一つです。

従業員意識の徹底

従業員に重要文書・印章の重要性を認識してもらう取り組みも必要です。普段の業務の中で重要書類や印章に触れる機会が少なかったとしても、保存期間や保管方法など細かな知識を持ち合わせておくことで様々なリスクの回避に繋がります。具体的には、少人数での研修やロールプレイングを実施するなどの方法がありますが、従来とは異なる方法で実践的に取り組むことが重要です。

おすすめの業務効率化システム

最後に、おすすめのサービスを2つご紹介します。いずれも文書管理分野で50年以上の実績を持つ日本パープルが提供しているので、安心して依頼できるでしょう。戦略総務として業務効率化を進めたいと考える担当者の方は一度相談してみてはいかがでしょうか。

文書廃棄なら保護(まもる)くん

株式会社日本パープルが展開する「保護(まもる)くん」は、専用のボックスに機密文書を投入するだけで機密処理を行ってくれるサービスです。専用のボックスには鍵が付いており、一度投入した書類は取り出すことができません。

専任のセキュリティスタッフが回収し、保管施設では厳しい入退出管理が徹底されています。運搬車にはGPSが搭載されており、処理完了後には証明書も発行。また、処理された書類はリサイクルされるので、環境貢献も可能です。

さらに、専用ボックスが一定の基準量になったら自動で交換を依頼してくれるサービス「Smart保護くん」もおすすめです。

契約書の電子化ならConPass(コンパス)

契約書管理クラウド「ConPass」は、社内の課題に合わせてサービスをカスタマイズできるのが特徴で、これまでに750社以上の取引実績(デジタルアーカイブ事業における実績)があります。

項目の自動抽出機能やタスク管理機能により契約に関する手間を削減することができ、契約書管理にまつわる業務全般を幅広くサポートしてくれます。各種電子契約システムとの連携や電子契約と紙の契約書の一元管理も可能です。