【利益もイメージもUP!?】企業が行うべき環境対策とメリット
数年前から、企業における環境対策の必要性が叫ばれていますが、環境対策についてどのようにお考えでしょうか? 環境対策は、実質的な企業利益を出すためだけでなく、社会的責任を果たすためにも、企業はその対策に取り組むことが重要です。今回紹介する内容を元に、環境対策としてどういったことに取り組んだら良いか考えてみませんか?
企業が環境対策を行うべき理由
まず始めに、なぜ企業は環境対策に取り組むことが求められているのかを考えてみましょう。
その発端は、第二次世界大戦後の日本にまでさかのぼります。
その頃の日本は、経済的な豊かさを求めようとして工業化の波が広がっていき、その結果大気が汚染されてしまいました。そんな状況下で、工業機能が発達した地域に住む住民の健康状態に大きな影響を及ぼしたことで、企業による公害が社会的な問題となりました。
このように、公害問題を中心とした環境対策がメインに考えられていましたが、環境面を配慮することで企業経営にも制約がでてきたことから、環境問題についても強く意識されるようになっていきました。次第に環境問題に配慮したコスト意識が広まり、環境への影響を考えた企業経営が重要視され始めたのです。
国際的には、環境問題が地球温暖化と結びつけて論じられるようになり、世界各国、とりわけ先進国は、二酸化炭素削減を目標に掲げて、対策を講じるようになりました。日本やアメリカ、カナダを始めとする主要国間ではサミットが開催され、温室効果ガス排出を減らすための話し合いがもたれました。また1997年には、京都において気候変動枠組条約第3回締約国会議が開かれ、日本主導の下、温室効果ガス排出削減の目標を具体的に定めた「京都議定書」の合意が行われています。
このように、世界的に見ても環境対策に力が入れられており、日本においても新たに環境に関する法律や基準が作られ、企業もこの動きに呼応し、製造業のみならずあらゆる業界や業種で、環境問題に取り組むというトレンドが生まれています。
企業が環境対策に取り組むメリットとは?
では、環境対策を行うことで、企業にはどんな利益をもたらすのでしょうか? 実は近年、環境対策に取り組むことで、企業には多くのメリットがあると考えられています。
現在では、多くの消費者が多少なりとも環境問題に関心を持っています。そのため、企業が環境に優しい製品を開発することが、そのまま収益向上に繋がる可能性があります。環境に配慮した製品やサービスは「エコプロダクツ」と呼ばれ、製品がヒットするための要因の1つになっているのです。逆に、環境破壊をもたらすような製品を売り出してしまえば、消費者からそっぽを向かれるばかりか、糾弾される可能性もあるでしょう。
ほかにも省資源、省エネを徹底させることで、少ないエネルギーで生産活動ができるようになるため、企業のコスト削減に繋がります。また工場なら、環境対策が万全であるかどうかが、地域住民との信頼関係を左右するでしょう。このように、環境活動を行うことは企業イメージのアップに繋がり、そのPR効果は多額の費用をつぎ込んだ広告宣伝活動に匹敵すると言えるかもしれません。
企業が環境対策としてできること
企業が環境対策としてできる活動として、環境に与える影響ができるだけ少ない企業作りをすることがあります。
社内活動としては、例えば環境へ配慮したエコプロダクツを印刷用紙、文具などといったオフィス用品として用いる、全社を上げてゴミの分別を徹底して行ったり、ボランティア活動に参加したりする、環境に貢献するプロジェクトに全社員で参加するといったことが挙げられます。
ボランティア活動や環境に貢献するプロジェクトに参加することで、社員一人ひとりが環境を意識した行動ができるようになりますし、企業を上げて環境を配慮した活動をしていることを対外的に示すことができるでしょう。
一方、社外的に企業ができる活動には、環境へ与える影響ができるだけ少ない製品を扱うことがあります。近年では、こういった製品を扱う企業が非常に増えています。
例えば、「扱っている製品に使われているプラスチックを、とうもろこしやあしなどの植物由来にして、二酸化炭素の排出量が増えないような工夫をする」、「ひとつの製品を作るまでに、どのくらいの二酸化炭素を排出したのかを表示して、二酸化炭素の排出削減を意識する」といった活動をしている企業もあるのです。
さらに、環境に配慮した製品を作るだけではなく、自社が環境への影響が少ないどんな製品を扱っているのかについて、企業活動として環境広告や環境ラベルを活用してPRする必要があります。こういったPRをすることで、環境志向の企業としてのイメージアップや社会的信頼が高まるという効果が期待できるでしょう。
環境対策は、社会における昨今の状況と、多くの企業が取り組んでいるトレンドに大きく関係している問題です。お客様からの信頼を得るためにも環境対策を行い、どんな活動をしているのかをホームページなどでしっかりとPRしていきましょう。