人に伝わる「議事録」の書き方。そのコツとテクニックを紹介
部署内や外部企業との会議や打ち合わせへ参加するときに上司や同僚から議事録の作成を指示される場合は多く、特に新入社員が担当に指名されがちです。議事録担当の務めは、会議中の発言などを話題についていきながらノートPCなどで記録し続け、会議終了後に誰が見ても分かりやすい形にまとめる、とても手間のかかる作業です。
しかし、議事録を作成する際、ちょっとしたポイントを押さえておくことで効率よく作業を進められます。今回は議事録の書き方について解説していきます。
なぜ会議に議事録が必要なのか
そもそも議事録とはどんなものなのでしょうか? ここでは議事録を作成するために欠かせない項目や、作成しなければならない理由についてみていきましょう。
①決定事項を明確にして関係者に共有する
議事録は自分のメモではなく、参加者への決定事項確認や情報の記録、上司への報告、参加していない人へ情報を共有することが目的となります。
②次に行う計画の内容や期限を周知する
議事録では決定したことだけではなく、議論内容や決まった項目について、誰が、どんなことを、いつまでに行うのかといった行動に関しても記載します。この部分が曖昧だと正確な情報共有を行うことができず、作業上での行き違いや、作業の抜け漏れが起こる可能性が高くなります。
③議事録に必要な項目
議事録を作成する際には、忘れてはならない項目があります。
・会議名
・会議の開催場所と開始・終了の日時
・出席者
・会議を行う目的や趣旨
・会議内で出た質疑応答内容や決定事項
・会議概要と会議で発言した人物の名前
・補足事項
・次回会議の開催日時や場所などの開催予定
出席者に関しては、クライアントの場合は役職名を記載し、役職が上の人物から順に記載していきます。記載内容はだらだらと書いても要点が伝わりにくいため、必要な情報を簡潔に書きましょう。
分かりやすい議事録を作成するコツ
実際に議事録を作成するとなると、どうすれば分かりやすい議事録を作れるのかと悩んでしまうかもしれません。ここからは具体的に、誰が読んでも分かりやすい議事録の作成方法について解説します。
①会議の議事録フォーマットに沿った形で書く
会社によっては、あらかじめ議事録のフォーマットが用意されている場合もあります。フォーマットがないときは、ネットで公開されている議事録専用のフォーマットをアレンジしてもOKです。最初から自分でオリジナルのフォーマットを作るよりは、こうした既存のフォーマットを利用するほうが、項目の抜け漏れのない、読みやすい議事録が出来上がります。
②読み手が知りたいことを考えて書く
作成した議事録の主な読み手は、会議に参加しなかった同僚や上司、クライアントになります。そのため、読み手が知っておかなければいけない内容を、しっかりとまとめることが重要です。読み手のことを考えながら作成することで、相手にとって必要な情報がある、分かりやすい議事録が出来上がります。
③5W1Hを意識する
「5W1H」は、ビジネスで重要な手法です。
「誰が(who)」、「いつ(when)」、「どこで(where)」、「何を(what)」、「なぜ(why)」、「どのように(how)」をまとめている言葉です。議事録での報告は5W1Hを基本にして考え、相手に伝えることで、自分の勘違いを防ぐとともに、相手に間違った情報や誤解を与えにくい文章になります。
④フォーマットを統一する
議事録のテンプレートはさまざまな形式のものがあり、前任者が自作していることもあります。しかし、毎回異なるフォーマットを使用すると内容の抜け漏れが発生してしまう恐れがあるうえ、読み手も読みにくいと感じるかもしれません。そのため、誰が読んでも分かりやすく読みやすい議事録を作成するのであれば、フォーマットは前回と同じ形式のもの、あるいは会社で決められたフォーマットを統一して使用しましょう。
⑤発信する前に上司に確認してもらう
会議中、ひたすら内容をノートPCでタイピングしていても手が追い付かず、発言内容の抜け漏れなど、曖昧な部分が発生させてしまうことがあります。しかし、議事録に曖昧な情報を記載してしまうと、読み手に誤解を与えかねないので、一緒に会議へ参加した他者に内容を確認してもらうことも大切です。
作業時間を気にして、焦って議事録を作ると、誤字脱字や記載の抜け漏れがあとから発覚して、訂正版の作成や差し替えなどといった手間が発生する可能性があります。訂正を防ぐためにも、議事録が完成したら、上司に記載内容の不備がないか最終チェックをしてもらいましょう。
⑥24時間以内に送付する
企業によっては議事録送付の時間が「会議終了から2時間以内」というところもありますが、一般的に議事録の送付は「24時間以内」といわれています。しかし、議事録作成のために丸1日かけるなんてことはできません。会議終了後から作業を行うのではなく、会議名や日時など事前に分かっている項目は会議前に埋めてしまうことで、作業効率が上がります。
議事録の訂正・修正をするには?
新卒で議事録の作成に慣れていない、あるいは時間が気になり焦っているようなときには、誤字脱字や内容間違いなどに気づかないことも少なくありません。訂正が必要な場合、送付した議事録の種類によって訂正方法が異なります。一般社員に送付する議事録ならば、PCで修正すればよいことがほとんどです。
しかし理事・取締役会の場合は、役所へ提出する関係もあるので、二重線を引いたうえで訂正印を押し、余白部分に「〇字抹消、〇字加筆」と、法的なルールに従って記載する必要があります。このように、議事録によって訂正・修正方法は異なるので、判断に困った場合は上司に確認を取りましょう。
見本となる議事録の文例
参考として、簡単な議事録の例文をひとつご紹介しましょう。
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会議名:自社キャラクター商品開発会議 議事録
日 時:2018年11月19日(月)13:00~15:00
場 所:自社2階会議室
出席者:上田部長、佐藤課長、丹羽係長、菊池主任 議事録作成:田上
欠席者:後藤主任(出張中)
議 題:自社キャラクター商品開発について
決定事項:
・ネーミングは公募する
・消費者にグッズの希望アンケートをとる
議論内容:
・上田部長より予算の関係でサンプル商品の配布は難しい(丹羽係長)
・価格帯に関しては500~1,000円でどうか(上田部長)
懸案事項:
・キャラクターの具体案を12月20日(木)までに作成する
・第2回自社キャラクター商品開発会議の開催予定日
12月21日(金) 13:00~15:00 自社2階会議室にて
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このように、会議内容については簡潔に記載したほうが、読み手に情報を伝えやすいです。
コツさえつかめば議事録作成は怖くない!
議事録は、会議などに参加した人たちに内容を確認して記録に残したり、参加できなかった人やクライアントなどに質疑応答や決定内容などを伝え、情報を共有したりするための重要な書類です。紙やメール、添付ファイル、チャットを使うのもいいですし、PCのスプレッドシートを使えばすぐに公開でき、皆で一斉に読んだり、追記や訂正などの書き込みを即時に共有できたりできるので便利です。
記載内容は「5W1H」を念頭において、読み手が分かりやすいよう簡潔に記載する必要があり、フォーマットは統一したほうが情報の抜け漏れを防ぐことができます。発信前に上司に確認をしてもらうことでミスを防ぐことができますが、万が一、ミスが発生した場合は、使用目的によって訂正方法が異なる点に注意しましょう。
コツをつかめば議事録作成はとても簡単です。必要以上に怖がらず、自身のキャリアアップのひとつと考えてはどうでしょう。
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