2017年4月17日お役立ち情報
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「集中」「リラックス」「運動」を1つのオフィスですべて実現!ラクスル株式会社を訪問

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天井の高さ、12メートル。

建物3~4階分もの高さが吹き抜けになっているこの建物が1企業のオフィスだと聞けば、きっと驚く方が多いでしょう。第29回日経ニューオフィス賞を受賞した『空中庭園』と呼ばれるオフィスです。

オフィスの持ち主は、ラクスル株式会社。開放的な空間が広がり、社員が伸び伸びと働いています。2015年11月にオープンした同オフィスは、一体どのようにして誕生したのでしょうか。お話を伺いました。

ラクスルってどんな会社?

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2009年9月創立のラクスル株式会社は、印刷通販事業を主軸とするインターネット事業会社です。

全国から寄せられたお客様の注文に合わせて、インターネットで適切な印刷会社を選出。印刷機の非稼働時間で印刷をすることによって、高品質な印刷物を低価格で提供する仕組みを実現させています。

社員数は現在約120名。開放感溢れたオフィスがどのようにして生まれたのか、見ていきましょう。

“天井を高く”すれば、社員が伸び伸びと働ける

IMG_5714▲取材に協力してくださった、人事・広報担当・忽那幸希(くつなゆき)さん。

同オフィスへの移転のきっかけは、もともとオフィスがあった場所が再開発地区に指定されていたこと。社員数の増加でオフィスが手狭になっていたタイミングでもあったので、長期に渡って利用できるオフィスへの移転計画がスタートしました。

移転にあたっては、代表と取締役、経営管理部と総務の計4人でプロジェクトチームを作り、オフィスの構想を練ったのだそう。そのとき代表が何よりこだわったのが、“天井の高いオフィス”でした。

「“天井が高いオフィス”は、広い空間で社員が伸び伸びと働く、シリコンバレーのベンチャー企業に強く影響を受けています。『天井が高いと、自然と従業員が開放的な気分で働くことができ、クリエイティブで自由な発想を生み出せるようになる』と考え、天高の物件を探しました。ここはもともと、住宅展示場だった場所なんですよ。」

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空間をどのように使うか設計する段階で、同社はコンペを開いてオフィスのデザイン案を募集しました。複数社の応募の中から選ばれたのが、現在のオフィスの元になっている『空間庭園』(コクヨ株式会社が提案)だったのだそうです。

「シンプルで作り込みすぎない設計が決め手でした。社員が増えるにしたがって、理想とするオフィスの形は変わるもの。弊社もこれから成長していくので、オフィスには余白を残しておいた方がいいと思ったんです。また、弊社は営業がほとんどおらず、1日中社内にいる人も多いので、自然光や天井の高さを活かし、社内にいながら外にいる気分を味わえるオフィスになっていることに魅力を感じました。」

こうして社員が快適に伸び伸びと働ける環境を目指して、現在のオフィスが作られたのです。それでは、オフィスを詳しく見ていきましょう。

“開放感”だけじゃない!隅々までこだわりがある、オフィスを見てみよう!

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同オフィスは、“天井の高さ”に目が行ってしまいがちですが、細かいこだわりがたくさん隠されています。ラクスルのオフィスの特徴は、大きく分けて次の3つです。

1.場所によって雰囲気がガラリと変わる
2.議論がしやすいスペース設計
3.社員の声を反映させて、共にオフィスを作っていく

それぞれどのようなこだわりがあるのか、見ていきましょう。

1.場所によって雰囲気がガラリと変わる

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1つ目の特徴は、場所によって雰囲気がガラリと変わること。

こちらは、『集中スペース』と呼ばれるスぺースで、文字通り集中して仕事を進めたいときに利用されます。図書館をイメージしたつくりで正面が壁になっていたり、落ち着いたトーンの色使いになっていたりと、社員が集中できる環境になっているのです。

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リラックスしながら仕事をしたいときには、ソファが並ぶこちらのスペースで作業するのがおすすめ。小さなテーブルがあるので、フランクなコミュニケーションが生まれやすい場所にもなっています。

2.議論がしやすいスペース設計

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議論がしやすいスペース設計も、移転後のオフィスの特徴です。

移転前のオフィスには、会議室が5部屋しかなかったため、十分に会議ができなかったり、大人数が1か所に集まることができなかったのだそう。そこで移転後のオフィスには、会議スペースを10部屋設けました。

そうすることで、会議のための部屋がないと困ることはなくなり、仕切りの壁を外して部屋同士をつなげることもできるので、大人数が集まる全社会議やイベントもしやすくなったのだそうです。

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カラフルなイエローが、一際目を引く会議スペース。印刷に携わる会社らしく、カラープリントの基本色(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)で部屋の色を構成しているのだそう。明るく華やかな空気が漂うこちらの部屋では、活発な議論が交わされそうです。

3.社員の声を反映させて、共にオフィスを作っていく

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同社オフィスの最大の特徴は、作り込みすぎずに“余白”を残していること。これは、社員と共に理想のオフィスを作っていきたいという同社の意志の表れです。

上の写真は両替機。社内でコーヒーやお茶を購入するために『10円玉に両替したい』という声が社員から挙がったため、導入したのだそうです。「あたり」が出ると、好きなドリンクが1杯分無料でもらえるというちょっとした仕掛けも好評。

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2階に上がると卓球台があります。仕事に疲れた社員が、気分転換で身体を動かすことが多いのだそう。卓球好きの社員が多く、1人で練習できるように『自動球出し機』も会社で購入しました。

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ヨガマットも社員のアイディアで導入されました。女性社員を中心にヨガ部も結成され、早朝や業務後にインストラクターを招いてのレッスンが週に1回程度開かれます。このように、ラクスルのオフィスは、社員の意見が尊重しながら、日々進化しているのです。

気分に応じて、働く環境を変えられるように

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オフィス移転をしたことにより、社員からは『働きやすくなった』という声が聞こえるようになったのだそうです。

「天井がガラス張りになので、1日中部屋の中にいても、明るさの変化で時間の経過を感じたり、雨が降ってきたのを音で感じたり。社内にいるのに、“自然の変化”を感じられるのが、社員には好評ですね。」

また、従業員の働きやすさだけでなく、採用活動にも移転の影響が及ぶようになりました。移転直前の半年間の応募者数を、なんと移転した最初の1ヶ月で超えてしまったのだそうです。オフィスに魅力を感じて興味を持つ人も増えており、会社のブランディングとしても効果を発揮しています。

このオフィスの最大の良さは、社内にいながらにして環境を変えて仕事ができる点にあると、忽那さんは語ります。

「集中したい時には集中スペースで仕事をしたり、リラックスしたい時にはソファで仕事をしたり、気分転換に身体を動かしたくなったら2階で卓球やヨガをしたりと、気分に応じて好きな場所で仕事ができます。場所によって空気がガラリと変わるので、ずっと社内にいても飽きないのがいいのだと思いますね。」

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オフィスにいながら環境の変化を感じられるようにすることで、社員は常にフレッシュな気持ちでクリエイティビティを発揮した仕事ができているのです。今後も、より良いオフィスを目指して、社員の意見を反映させてオフィスを変えていきたいと忽那さんは語ります。

「先程も少し触れましたが、人数が増えることによって、理想的なオフィスの形は大きく変わっていくと思います。オフィスに余白を残しているので、社員が求める『こういうオフィスにしていきたい!』という意見に臨機応変に対応できると思うんです。これからも、社員と一緒により良いオフィスを追求していきたいです。」

ラクスルのオフィスの特に優れた点は、以下の2つ。

・場所によって空気が大きく変わり、「集中」「リラックス」「運動」が1つのオフィスでできる
・余白を残し、社員の意見を反映させたオフィス作りをしている

皆さんの企業でもオフィスを移転させることがあれば、ラクスルのオフィス作りをぜひ参考にしてみてください。

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