【処理施設に潜入】機密文書に夢を書いて、紙ヒコーキ作って飛ばしていないか確認してきた
こんにちは、「せめる」です。
先日、社内の書類破棄にかかる人件費はいくら?電動・手動のシュレッダーを使って実際に実験してみたという記事で私は時給1,000円のオトコを演じ、実際に紙の廃棄を行いました。しかし!人力で行うとなると予想以上に”お金”がかかってしまう事実が判明。
この結果に私は衝撃を受けてしまい、何かいい手はないものか…とネットサーフィンをしていました。
そして、見つけたのが前回パソコン廃棄の様子を見せてもらった日本パープルファイナルセンターで紙の廃棄も行われているという事実でした。
これはもう一度行ってみるしかない…と思い立った私は翌日、埼玉県日高市にいたのです…。
というわけで今回も、何事も疑ってかかる、攻めの姿勢で機密文書廃棄の様子を見届けたいと思います。
まもる(保護)くん「クリップもバインダーもどんと来い!」
前回も紹介しましたが、一応紹介しておきましょう。この青いポストのような箱、これが「まもる(保護)くん」です。
まもるくんはオフィスに設置する「機密回収ボックス」で、ここに破棄したい書類を丸投げしておけば、日本パープルの方が回収してファイナルセンターでまとめて処分されるというものです。小さいものからダンボールが8箱入る大きいものまで揃っており、オフィスの引越しの際も書類の処分に手がかかりません。ちなみに、まもるくんは6500もの事業所で設置されていますが、最も多く利用されているのは写真1番奥の「まもるくんMサイズ」。ダンボール約5箱分の書類を収容することができるとのこと。
言いたくはありませんが、まもるくんの魅力は、なんといってもクリップもバインダーもクリアファイルも受け入れる懐の広さでしょうか。紙だけ分別する、シュレッダーにかける、という手間がすべて省け、業務時間をより有効に使うことができます。
また、口の堅さも魅力的です。投入口は大きめのバインダーが入る幅まで開きますが、取り出し防止弁があり、書類の抜き取りを防ぐことができます。更に、まもるくんを開ける鍵は日本パープル側が持っているため、事業者側は一度書類を投入すると決して取り戻せません!書類を投入する際はしっかりと確認したほうがよさそうです。
ちなみに、私の会社でのニックネームは人間メガホン。秘密をすぐバラしてしまうと同僚から言われています。しかし、保護くんの”秘密は墓場まで持っていく姿勢に”オトコとして、嫉妬しました。
まるで◯ランスフォーマー!?な破砕の現場へ…!
日本パープル専用のトラックで搬入された数多くの保護くんたちは、まずX線検査を受けて、内容物に危険物や機械で破砕できない金属の塊等が含まれていないかをチェック。
モニター上のギョロ目のキャラクターがなんとも愛らしいです。
そして、ここから保護くんは人の手を離れます。保護くんを解錠し、中身を取り出して破砕機にかける作業は全てロボットによるもの。
つまり、人為的に情報が持ち出されることが起こらないようになっているのです!
疑い深い私は、ここでしっかりと機密文書に夢を書いて、紙ヒコーキを作って飛ばしていないかしっかりと確認しましたが、そもそも書類を取り出せないため、そんな人は誰一人としていませんでした。
では実際に保護くんが自動的に破砕機にかけられる工程を見てみましょう。
保護くんをロボットの前に設置すると…。
まるで◯ランスフォーマーのように右側の黄色いアームが動き、保護くんの小さな鍵穴めがけてピンポイントに鍵を差し込み、解錠。
鍵の開いた保護くんは、次は左側のアームによって持ち上げられ、ひっくり返されて、機密書類たちが奥の巨大な破砕機にかけられていきます。
全てを飲み込み、そして分別「スーパーエコ」
ロボットによって自動的に保護くんの中身が破砕機にかけられるわけですが、破砕機にも立派な名前があります。その名も、「スーパーエコ」。
バインダーやクリップも一緒くたに砕く、巨大でたくましいフォルムにぴったりの名前です。
スーパーエコの中身を見せていただくと、そこには粉砕刃のついた太いローラーが。まさに巨大なシュレッダーを見ているようでした。確かにこれならバインダーもクリップも木っ端微塵ですね。
ここで粉砕された書類は、風力によって紙類と金属など重みのあるものに分別され、いよいよ処理の最終段階に入っていきます。
企業の機密書類はついに最終形態へ…
風力により分別されたあと、書類は100tもの力をかけられ押し固められます。
そうしてできるのが、こちら。
自称175cmほどある、私の胸くらいの直方体状の紙の塊…これこそ、機密書類の最終形態。
紙の塊に近づいてみると、一つひとつの紙の破片は、ほとんど解読できないことがわかります。ここまでくれば情報をもとの形に戻すのはパズル界で伝説になっている人でも不可能でしょう。
この塊は800kg~900kgもの重さがあり、1日になんと20~30本できるそうです!それが積み上げられる光景は、なんとも壮観。
また、スーパーエコはただ紙を粉砕しているわけではありません。紙の繊維を壊さない特殊な処理の仕方をしており、リサイクルしやすくなっているのです。このような環境に配慮した処分の方法は、企業としても環境保全活動の一環としてアピールできるでしょう。
「40年間ミスなし」も納得の技術と信頼性
企業の機密を扱い続け、40年間一切のミスなしを維持する日本パープル。保護くんやファイナルセンターの施設には、情報を人為的に漏洩させないための工夫が散りばめられていました。
しかし、システムや機械だけ徹底して開発しても、情報は守れません。
機密処理の信頼性を左右するのは、最終的に現場で情報を扱う「人」。
職員の方のお話しを聞いていても、機密保持に対する高い意識が伺えました。
私も色々攻めてきましたが、戦国時代で言う小田原城のような鉄壁の守りに白旗をあげましたとさ。
終わり