2016年2月16日情報セキュリティ
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横流しされてない?パソコン廃棄業者に処分方法を見せてもらった結果…

初めまして。私、「せめる」と申します。私は今の世の中、全てのことを疑っており、何に対しても”攻め”の視点を持って考えてしまいます。そんな中、最近私の勤める会社でパソコンを一式買い換えることになり、以前使っていたパソコンは全て廃棄に出すことになりました。

先日、廃棄処分を依頼した物品がスーパーに横流しされていた事件が世間を騒がせていましたが、パソコンはどうでしょうか。機密情報がたくさんつまったパソコンが横流しされてしまったら・・・そう考えると僕は不安で夜も眠れません。

“これは自分の目でパソコン廃棄の瞬間を確かめるしかない”という訳で、今回やってきたのはここ、日本パープルのファイナルセンター
重要データが入ったデバイス、機密書類を復元不可能なレベルまで処理する場所となっているそうです。

ここには企業秘密が詰まった”まもる(保護)くん“というボックスがトラックで運び込まれますが、その先の徹底された処分工程は謎に包まれています。

今日は特別に許可を頂き、パソコン廃棄がきちんと行われているのかを自分の目で確認すべく、潜入調査して参りました。

6500か所以上に設置されている!?「攻める」のライバル「まもる(保護)くん」


ファイナルセンターは施設の性質上、埼玉県日高市のほどよい田舎にある、ということ以上は明かせません。絶対に・・・。


入り口をくぐると、まず目に止まるのはたくさんの青いボックス。こちらが、先ほどお伝えした日本パープルのまもるくんです。これは処分したいパソコンや書類を投函するポストのようなもの。名前からして、ライバル意識を持ってしまいます。

日本パープルと契約をすると、このまもるくんが会社に置かれ、廃棄したいパソコンをここに入れるだけで引取に来てくれるのだとか。パソコン処分のために面倒な手続きをする必要がありません。

さらに、まもるくんはパソコンのみならず、その周辺機器であるCDUSBメモリ等のメディアなど、あらゆる情報端末にも対応しており、大きさも様々。主にメディアのみを回収するSSサイズから、大きいものは段ボール8つ分入るキャビネットまで揃っています。

それでは、いよいよファイナルセンターの作業現場に入っていきましょう。

本当にセキュリティ万全なの?現場に潜入

まず、敷地内に入る前からカメラで顔と名刺を認証するので、一般の方は絶対に入れないようになっています。また、その奥の作業現場に入るには、セキュリティキーの認証、かつ人の目による確認が必須。
さらに施設内はいたるところに監視カメラが設置されており、機密保持において安全性・信頼性の高さがうかがえます。私もこの監視体制では攻めの姿勢を忘れるくらい安心しました。


セキュリティチェックを受けると、扉の奥にあったのはたくさんのまもるくん。日本パープルの専用トラックで企業から集荷されたまもるくんは、このようにファイナルセンターに搬入されます。こうして見ると多くの企業で利用されているようです。

PCは「メディア分解エリア」で丁寧に解体


回収されたPCは、人の手によって大事な情報が詰まったハードディスクやメモリだけを取り出し、それ以外とは別に処分します。
1台1台を、職員の方が電動のドライバーと手動のドライバーを使い分けながら手作業で分解

同じように見えるPCでも、使用しているネジの形やサイズが微妙に異なるため、ドライバーを変えながらハードディスクを取り出していきます。この作業を、早い人では1台1分でこなし、最速記録はなんと5秒とのこと。かなり攻めています


写真右端の円盤がハードディスク。ここに各企業の重要データが入っています。
ハードディスクを使って従業員の方たちがフリスビーをしていないかじっくりと確認しましたが、そんな方は誰一人としていませんでした。

分解したものはどれくらい破砕してくれるの?

こうして分解され、取り出されたハードディスクは最終段階の破砕場へ…。このエリアでは破砕機、つまり「巨大シュレッダー」がゴゴゴゴ…とうなり声をあげています。


そしてこちらが、PCのハードディスクを粉々にする破砕機、その名も「パワフルエコ」。ハードディスクだけでなく、CDやカセットテープ、VHS等のプラスチック系の情報媒体もこちらで処理されます。


取り出したハードディスク等が入ったボックスをこちらにセットすると、あとは機械が自動的に中身を取り出し、粉砕を始めます。いったいどうなるのかと言うと…


このように2cm四方ほどに!!さっきまで形のあったものたちが、サラサラと山のように積もっていきます。
「塵も積もれば山となる」ということわざが言葉でなく、心で理解出来た瞬間でした。

パワフルエコがだめなら、マイクロエコ!!

パワフルエコでも十分細かくなっていますが、疑い深い私、攻めるくんとしてはこれを見ただけではまだ安眠できません。情報媒体の中にはカードのICチップなどのように非常に小さく、パワフルエコでは破砕しきれないものもあるに違いないと思っています。

しかし、そんなときに活躍する「マイクロエコ」という物があるらしいのです。


刃がついた巨大なローラーで破砕するパワフルエコに対し、マイクロエコは複数の鋭い刃で「破砕」というよりも「裁断」するマシン。
その裁断の凄まじさゆえ、ものすごい稼働音がするらしく、マイクロエコはこの防音壁の中に入っています。
そんなマイクロエコで粉砕したものがこちら。

パワフルエコよりもはるかに細かくなり、もはや原型が全くわかりません。
ここまで細かくなれば、どんな情報も復元は不可能ですね・・・。

いくら攻めても、防御力が高かった”ファイナルセンター”

企業のあらゆる情報を徹底管理・処理する日本パープル。
実際にファイナルセンターを見学して、疑い深い私も徹底した処理工程に驚かされました。
特にその情報を扱うプロの意識が表れていたのが、なんのへんてつもないこの作業着

右の2体が、ファイナルセンター内部の職員の方々が着用しているもの。なんとこのセンター内用の作業着は、すべてのポケットというポケットが縫い付けられ、使用できなくなっていました
ここまでくると「オシャレなスーツか」というツッコミをいれたくなってしまいましたが、USBメモリなど、情報媒体が小型化する今、情報は簡単に持ち出すことができます。
だからこそ、ポケットを使えなくすることで、職員が「情報を持ち出そう」という気を起こさないように工夫しているそうです。

このように日本パープルのファイナルセンターでは、機密保持のプロが万全のセキュリティのもと、企業の情報を処理しています。実際に現場を訪れてみて、その確実性技術力の高さを感じ、ここに任せれば私も安眠できる・・・と思いました。

これが私のファイナルアンサーです。

終わり

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