社員のストレスフリーに。2017年から領収書がスマホで電子化できるってほんと?
2015年11月19日、政府・与党は2017年から領収書の電子保存をスマートフォンでもできるようにするという方針を固めました。
領収書は原則として紙で7年間保存することが法人税法で義務付けられており、領収書を保管しておく必要があります。
電子保存するためには、電子化したデータにタイムスタンプを押すなどの様々な規程をクリアしたうえで税務署長の承認をうければ、スキャナー保存に限り電子保存が可能ですが、まだまだハードルが高いのが現状でした。
2015年9月末には、3万円以下に限られていた電子保存の金額要件(3万円未満)が廃止されるなど、電子保存を緩和するなどの動きがありました。
今回の改正では、さらなる利便性向上を目指さし、スマホで撮影した領収書を画像データ化して社外から送り、社内で電子保存することを認めるものとなります。
改ざんがないように領収書の電子データには「タイムスタンプ」を付けることや、経理担当者の確認、第三者による事後検査が要件となっています。
また、撮影からタイムスタンプまでは3日以内の付与や、500万画素以上の鮮明な画像を要件としたりといった、ハードルはあります。
しかしながら、スマホで撮影する方式が可能になることで、経費精算のために会社に出社する必要がなくなるといった業務の効率化が期待できます。
これまでは、原本保管する管理コストと、電子化するコストとの比較で、主に保管コストだけ観点での比較でしたが、スマホで領収書を電子化できるようになれば、業務効率改善・利便性の面でもメリットがでてきます。
企業が気軽に電子化要件を満たす事ができるクラウドサービスなどが普及する事で、今後は、いっそう電子化が普及していくのではないでしょうか。
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領収書電子化緩和におけるこれまでの経緯と比較
2015年9月30日まで | 2015年10月から | 2017年1月以降からの方針 | |
金額 | 3万円未満の領収書のみ | 領収書の金額にかかわらず可能 | 領収書の金額にかかわらず可能 |
スキャナー | 原稿台付スキャナー | 原稿台付スキャナー | スマートフォンで可能 ・事前の領収書への署名 ・500万画素以上の鮮明な画像 |
電子署名 | 認定事業者の電子証明書付与が必要 | システムのID、パスワードで代用 | システムのID、パスワードで代用 |
タイムスタンプ | 認定事業者のタイムスタンプ付与 | 認定事業者のタイムスタンプ付与 | 認定事業者のタイムスタンプ付与(撮影からタイムスタンプまでは3日以内) |
その他 | ― | 適正事務処理要件の規定制定 | 適正事務処理要件の規定制定 経理担当者の確認 第三者による事後検査 など |
対象 | タクシー代のほか、接待に使った飲食代、業務にかかわる書籍代などの領収書や契約書 |