VDI(仮想デスクトップ)とは? テレワーク環境構築に欠かせない知識

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新型コロナウイルスの影響で、日本の労働環境に大きな変化が起きています。最も目立った変化は、テレワークの拡大です。

早くからテレワークを導入した企業は、迅速に対応できたことでしょう。しかし、セキュリティ面の不安からなかなかテレワークに踏み切れない企業も少なくはありません。そのような不安を解消するカギが「VDI」です。VDIは情報漏えいのリスクが低く、テレワークとの相性がとてもよいです。

今回の記事では、VDIの概要と実装方式、テレワークでVDIを活用するメリットをご紹介します。

VDI(仮想デスクトップ)の概要とシンクライアントとの違い

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VDIは「Virtual Desktop Infrastructure」の頭文字を取った略称であり、日本語では「仮想デスクトップ」と訳されます。

VDIでは、ユーザーの手元にある端末にデータやアプリケーションなどを管理するのではなく、端末とは別にサーバを用意して、そこで一元管理を行います。実際にアプリケーションを実行する際は、手元にある端末から指示を出し、その指示を受け取ったサーバが処理を行い、ネットワークを介して端末側に出力します。

なお、VDIを導入しても端末の使用感は変わらないため、ユーザー側は、VDIに変えたとしても、今まで通り違和感なく使えます。

シンクライアントとの違い

VDIとよく似た言葉にシンクライアントというワードがあります。シンクライアントは、必要最低限の機能を搭載したクライアント端末で業務を行えるようにするシステム全般を指します。シンクライアントでは、多くの処理をサーバ側で行うので、複数のクライアント端末からの処理を統合的に管理するといったことが可能です。

シンクライアントとVDI、一見すると同じシステムのようですが、両者は異なります。シンクライアントの方が広い概念であり、VDIはシンクライアントの一つです。

シンクライアントは、画面転送型とネットワークブート型の2種類に分けることができ、VDIは画面転送型に属します。

シンクライアントが今になって普及した背景

シンクライアントの考え方自体は古くから存在しており、1990年代の中ごろには、システムを共有する仕組みは利用されていました。

しかし、技術革新により安価でデスクトップPCが手に入るようになったことを機に、わざわざシステムを共有する必要性がなくなり、クライアント・サーバ型と呼ばれる運用携帯が一般的になりました。

シンクライアントが再び注目を集めたのは、2005年頃のことです。この年は、個人情報保護法が制定された年になります。この法律の制定をきっかけに、世間的に情報漏えいに関する意識が高まり、シンクライアントのセキュリティの高さに注目が集まったのです。

さらに、2011年に起きた東日本大震災により、シンクライアントの災害時における有用性が示され、再び脚光を浴びることになりました。

VDI(仮想デスクトップ)2つの実装方式

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VDIを企業が導入する場合は、オンプレミス型、クラウド型(DaaS)のいずれかを選ぶことになります。両者はメリットもあればデメリットもあり、単純に優劣をつけることは困難です。

そこで、以下ではオンプレミス型とクラウド型の概要と、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。両者の違いがよく分かっていないという方は、ぜひご確認ください。

オンプレミス型

オンプレミス型は、VDIを導入するのに必要なサーバや、アプリケーション、OSなどをすべて自社で構築する方式を指します。

自分達ですべての作業を行うことになるため、自由度が高く、自社にあった独自のカスタマイズが可能です。セキュリティ対策に関しても、自社のセキュリティポリシーに沿った設定ができます。

一方で、システムを一から作り上げることになるので、導入コストが高く、導入までに時間がかかります。リソースの無駄を無くすためには、従業員数に合わせてシステムの見直しを行うのが理想ですが、オンプレミスではその作業もすべて自分達で行うことになるため、手間と時間がかかります。

クラウド型(DaaS)

クラウド型は、クラウドプロバイダーと呼ばれる会社が提供するサーバ、ソフト、OSなどを利用してVDIを導入する方法を指します。サーバ自体もクラウドプロバイダーが保有する施設で保管するので、社内にサーバの設置場所を用意する必要もありません。

クラウド型では、サーバの諸々の管理をクラウドプロバイダーが請け負ってくれるため、管理がとても楽です。また、初期費用も安いので、オンプレミス型よりも気軽にVDIを導入できます。セキュリティ対策に関しても、プロバイダーがしっかり管理してくれるので安心です。

一方、カスタマイズ性の面ではオンプレミス型に劣ります。毎月ランニングコストがかかるので、長期的な視点では、オンプレミス型よりも高くついてしまうことがあります。

テレワークに最適なVDI(仮想デスクトップ)のメリット

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ここでは、VDIを導入することで得られるメリットを、具体的に4つご紹介します。

端末にデータを残さない、情報漏えいを防止

VDIでは、サーバ側でデータが管理されており、クライアント端末には作業データは残りません。そのため、クライアント端末を紛失したり、盗難にあった場合でも情報漏えいの危険性が低いです。

端末の一括管理と運用管理の負担軽減

クライアント側にソフトやアプリケーションがあると、更新の度にクライアント端末を保有する一人一人がアップデート作業を行うことになります。一方、VDIでは、サーバ側でアップデートを行うだけでよく、システムのメンテナンス、管理が非常に容易です。

BCP対策の一環として

地震や火災などの災害が起こると、社内にある設備が故障してしまうこともあります。自社でサーバを管理している場合、災害により事業継続が困難になることもあり得ます。

VDIであれば、たとえ自社で管理しているデータの復元が困難な状態になっても、プロバイダーが管理しているサーバを利用してすぐに復旧させることが可能です。

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BYODの活用を推進

BYODとは「Bring your own device」の頭文字を取った言葉で、従業員が日常的に使うスマートフォン、ノートパソコン、タブレットなどの情報端末の業務利用を推進する取り組みのことです。企業にとっては端末の導入費を抑えられるメリットがありますが、私用の端末となると、業務時間外に閲覧するサイトやファイルは管理できないため、情報漏えいの危険性を伴います。

VDIを活用すれば、従業員は自身の端末からサーバ上の仮想デスクトップに都度アクセスして業務を行うため、端末とデスクトップ環境を分けてBYODを推進できます。企業は仮想デスクトップにアクセスする従業員の端末を一括で管理でき、セキュリティの向上とコスト軽減が実現できるのです。

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テレワークを実施するならば、VDIを活用しよう

セキュリティ面の心配からテレワークの導入を躊躇っている企業も多いですが、VDIを活用すれば、高いセキュリティを維持したまま、テレワーク環境を構築できます。

またクラウド型であれば、専門スキルを持つ社員やサーバを設置するスペースを用意する必要もなく、低コストでの導入が可能です。テレワークの実施を検討しているのであれば、VDIの導入も同時に検討してみてはいかがでしょうか。