2019年12月25日働き方改革
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勤務間インターバル制度とは?助成金や努力義務について解説

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「勤務間インターバル制度」とは、勤務が終了した時刻から次の勤務の開始時刻までの間に、一定時間以上の「休息時間」(インターバル)を設ける制度です。

長時間労働による心身の疲弊や、それを回復するための休息時間の確保が十分でない現状や課題に対処するものとして、2019年4月から、勤務間インターバル制度の導入が企業の努力義務となりました。

導入によって、従業員のワークライフバランスの改善はもちろんのこと、企業にとっては生産性の向上や離職率の低下などが期待できるほか、その導入に取り組む中小企業には助成金が支給されています。

今回は、勤務間インターバル制度の内容や努力義務、助成金の概要について紹介していきます。

勤務間インターバル制度の概要

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勤務間インターバル制度は、勤務が終了した時刻から次の勤務の開始時刻までの間に、一定時間以上の休息時間(インターバル)を設ける制度です。2019年4月から、この制度の導入が企業の努力義務となりました。

勤務間インターバル制度の背景

勤務間インターバル制度は、長時間労働による心身の疲弊や、それを回復するための休息時間の確保が十分でない現状や課題に対処するものとして設計されました。以前より国内で深刻な問題となっていた長時間労働の慢性化を是正するために、従業員の生活時間や睡眠時間を確保し、健康維持や過重労働を防止することが目的です。「勤務時間」ではなく、「勤務外の時間」に着目して長時間労働を抑制しようとするのがポイントで、労働時間に関する制度としては、従来にはなかった考え方が採用されています。

勤務間インターバル制度の努力義務とは?

勤務間インターバル制度は、EU加盟国で先駆けて導入されており、「11時間以上」の休息時間を設けることが法律で義務付けられています。

日本では、EU加盟国の状況や長時間労働の抑制に向けた流れを受けて、勤務間インターバル制度の検討がスタートしました。「労働時間等の設定の改善に関する特別措置法」の改正・施行により、2019年4月の勤務間インターバル制度の導入が企業の「努力義務」となりました。

企業の努力義務となったのは、勤務間インターバル制度の周知や導入を促すことが現段階では重要との考えが優先されているためで、違反したとしても企業に対する罰則などはありません。また、休息時間も「9時間以上」が望ましいとされていますが、具体的に何時間の休息時間を設けるかなどは、各企業の判断に委ねられています。

勤務間インターバルの具体例

就業時間が9〜18時(休憩1時間)の企業を例に説明します。繁忙期や納期の関係で深夜2時まで残業したとします。勤務間インターバル制度を導入していない場合は、通常通り9時に出勤しなくてはいけませんので、終業時から始業時まで7時間の空きしかなく、従業員は心身ともに披露が溜まってしまいます。

しかし、休息時間9時間の勤務間インターバル制度を導入している場合は、翌日の出社は11時からとなります。

勤務間インターバル制度のメリット

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勤務間インターバル制度の導入によって、従業員、企業の双方がメリットを享受することができます。従業員にとっては、毎日一定以上の休息時間を確保できるようになるため、荷重労働による過労死などの健康被害のリスクが低下するほか、ワークライフバランスの改善が期待されます。

企業にとっては、労働時間を制限することによって従業員を過度に疲労させないだけなく、ダラダラ残業の防止にもつながり、生産性の向上が期待できます。また、制度の積極的な導入を対外的にアピールすることで、従業員の健康管理に意識の高い企業としてイメージアップを図ることが可能になります。その結果、従業員の離職率の低下や就職希望者の増加など、人材の確保・定着における効果を期待することができます。

勤務間インターバル制度の助成金

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勤務間インターバル制度の導入促進を図るために、厚生労働省は導入に取り組む中小企業への支援を行っています。「時間外労働等改善助成金(勤務間インターバル導入コース)」を交付することで、制度の導入に要する諸費用を助成してくれる仕組みです。2017年度に新設された助成金となっており、2019年度の交付申請期限は、2019年11月15日まででした。

助成金の支給対象となる取り組み

具体的には、次のような取り組みなどが助成金の支給対象となります。

●労務管理担当者に対する研修
●労働者に対する研修、周知・啓発
●外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など)によるコンサルティング
●就業規則・労使協定等の作成・変更(計画的付与制度の導入など)
●労務管理用ソフトウェアの導入・更新
●テレワーク用通信機器の導入・更新
●労働能率の増進に資する設備・機械等の導入・更新(小売業のPOS装置、自動車修理業の自動車リフト、運送業の洗車機など)

助成金の対象となる成果目標の設定

上記の取り組みを実施するに当たって、すべての事業場で、休息時間数が「9時間以上11時間未満」、または「11時間以上」の勤務間インターバルを導入することが共通の目標になります。
具体的には、以下の3つのうちいずれかを成果目標として設定することが、助成金交付の条件となります。

●勤務間インターバルを導入していない事業場で、従業員の半数以上を対象とした9時間以上の勤務間インターバルについて、就業規則等に定めること
●すでに9時間以上の休息時間の勤務間インターバルを導入している事業場で、対象者が従業員の半数未満である場合において、対象者を半数以上に拡大することを、就業規則等に定めること
●すでに9時間未満の休息時間の勤務間インターバルを導入している事業場で、従業員の半数以上を対象にして、休息時間を2時間以上延長して9時間以上とすることを、就業規則等に定めること

助成金の対象となる事業主、実施期間などの取り決めも

助成金の交付に当たっては、このほかにも、「対象となる事業主」や「事業実施期間」などの条件が定められています。詳細は、厚生労働省のホームページで確認することができます。

勤務間インターバル制度の導入は企業にとってメリットが大きい

勤務間インターバル制度の導入によって、従業員のワークライフバランスの改善はもちろんのこと、生産性の向上や離職率の低下などの効果が期待されることから、企業にとってメリットが大きい制度です。助成金の交付を受けながら導入に踏み切る中小企業が着実に増えてきています。さまざまなメリットを考慮しながら、ぜひ勤務間インターバル制度の導入を検討してみてください。

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