導入事例

環境マネジメントシステム (ISO14001)における 環境目標達成に貢献

環境マネジメントシステム(ISO14001)における環境目標達成に貢献

三菱商事ケミカル株式会社様は、三菱商事の化学品グループから独立した専門商社。1987年に設立し、化学品の国内販売と貿易取引を行っている。国内から海外展開を強化すべく、従業員数も春に30名増員するなど事業規模拡大に向けて着実に歩みを進めている。(2017年4月現在130名)

そんな同社が企業行動方針に掲げているのが、環境貢献。
代表的な取り組みはISO14001の認証取得だ。ISO14001とは、環境マネジメントシステムの仕様を定めた規格のことで、「保護(まもる)くん」の導入も環境貢献活動の一貫だという。

今回は、同社が保護くんを導入するに至った背景や・実際に保護くんを利用したことによる変化を、管理本部財務経理グループの村田雅文さん、甘利優子さんに伺った。

企業名

三菱商事ケミカル株式会社

URL

管理本部 財務経理グループ
村田 雅文様
甘利 優子様

導入商品・サービス

  • 保護(まもる)くん

きっかけは、紙の使用量を減らすため

ISO14001の取り組みの1つとして紙や電気の使用量を減らす取り組みを行っていた同社は、毎年、紙の使用削減量目標数値に定め、目標達成に努めていた。しかし、従業員が増えている状況で使用量を減らすには限界があったと村田さんは語る。

村田さん
「これ以上紙の使用量を減らすように働きかけると、必要性があるときにも紙を使用しなくなり、従業員の日常業務に支障を与えてしまうだろうという話になり、別の切り口を考えることにしました。そこで、『使用量を減らせないのであれば、廃棄する紙を再利用しよう』という方向性で取り組むことになったんです。」

シュレッダーで廃棄された紙は、繊維が裁断されてしまうため再利用することができない。何か良い案はないかと思考を巡らせていたところ、当時のISO推進事務局リーダーから前職で使っていたという保護くんを紹介された。保護くんの回収BOXに集められた紙は、機密処理施設に運ばれ、再生紙としてリサイクル。リサイクルされた紙の量を数値で知ることもできるので、環境貢献活動に役立てることができる。

こうして同社は、1ヶ月のトライアル期間を経て保護くんを導入することに決めた。

紙の使用量を目標値の82%に抑えることに成功

保護くんを導入することで、社内の紙を再利用することにした同社。 導入効果を数値で計測するために、「紙の使用枚数=実際に出力した紙の枚数−再生紙になった紙の 枚数(A4用紙で算出)」と定義し、紙の使用枚数を減らすための目標を立てた。

導入によって得られた効果はどれほどのものだったのだろうか。

甘利さん
「1年間で使用する紙の枚数を、182,377枚以下にするという目標を掲げました。結果、1年間の使用枚数は149,464枚。 目標値の約82%と、目標よりも少ない枚数に抑えることができ ました。」

保護くんはクリップやホッチキスで止められた状態でそのまま捨てることができるので、従業員か らは『紙は何も考えずに回収BOXに捨てればいいから、とても楽!』という意見が多く挙がってい る。保護くんの導入に対して社内では好意的な反応が多い。

紙の使用量を減らすという課題を見事に別のアプローチから解決させた同社は、今後も環境貢献活 動に積極的に取り組んでいく。どのように環境貢献活動をしていいか悩んでいる企業の方は、同社 の取り組みを参考にしてみてはいかがだろうか。

【番外編】地球環境に配慮しない企業は存続しえない

最後に、三菱商事ケミカル株式会社様が取り組んでいるその他の環境貢献活動を紹介する。

同社は、石油化学製品を多く取り扱っているが、石油化学製品は環境に対してのイメージがあまり 良いものではない。そこで同社は環境に優しい溶剤の取り扱いを強化した 。環境に優しい溶剤とい う意味を込めて、同社は「親環境溶剤」と呼んでいる。

近年、メーカーの中でも『ISO14001の認証を取得していない企業とは取引しない』企業が増えてい るなど、環境貢献への関心が高まっている。

村田さん
「弊社は、三菱商事グループ企業の一員として『地球環境に配慮しない企業は存続しえな い』ことを共通認識として持ち、環境に対する取り組みに力を入れています。今後も環境に負担の かからない化学品を積極的に使用して頂けるよう、販売強化を進めていきます。」

環境への取り組みは地球規模で必要とされている大きな課題のひとつ。今後も同社の環境への取り 組みに注目したい。